世の中には、お金を出しても買えないクッキーがあるのをご存知でしょうか。
あ、大げさに言い過ぎました。
お金を出せば買えるのですが、買わせてもらえるまでのハードルが高いクッキーというのがあるのです。
それが、日本初の洋菓子専門店「村上開新堂」のクッキー。
厳密に言うとクッキーだけではなくて、村上開新堂の商品、レストランともに「一見さんお断り」のため、紹介がないとお金を出しても買えないというわけです。
そんなクッキーを手に入れました。2つ。
紹介してもらって電話して注文するのですが、大量生産しているものではないので、注文時期によっては2〜3か月待たされると聞いていました。私の場合はラッキーなことに約1か月でゆうパックで送られてきました。
というわけで開封の儀。
ゆうパックの袋を開けると、ダンボールが入っています。
お店のロゴも何も入っていない真っ白いハコ
白いハコの中には薄紙に包まれたものが入っている
薄紙を取り払うとやっとそれっぽいものが
赤い英字部分は、2代目村上一政の筆跡だそうですよ
包み紙をとると、ポストカードが差し込まれ、紅白のヒモでくくられた状態のものが出てくる
このグリーンのカード、村上開新堂でさえも把握していないほど、いつから使われているか分からないほど古いらしい
グリーンのカードの下にはこれまたほどよく古びた感じのデザインの帯紙
そしてその帯紙を取ると、クッキーのサムネ型リストの紙
いよいよクッキーの缶出現。これまたロゴなど一切入っていないシンプルなベビーピンク色の缶。
蓋をあけると、プチプチシート。
つ、ついにー!!ってか、恐ろしいほどにぎっしり詰まっている!この精緻な詰め具合は職人級。
何枚かつまんでみた後。しかし、下の方のクッキーを食べたいのだが、引っ張り出すのが大変なほどに詰まっている!
このクッキー、0号というサイズで村上開新堂の中で一番小さいサイズのものなんだけど、12×19cmのハコで、お値段はなんと驚きの6,450円!!ハコは小さいけど、ぎっしりと470gのクッキーが詰まっているので、言うほど高くないような気もしてきた。
ヨックモックのGrand cinq délicesでも5,250円するしねー。
村上開新堂のこのクッキー、味ごとに全部形や模様が違うという凝りよう。ちなみに、8枚目の写真(クッキーのサムネリスト)に一覧化されているクッキーはこちら。
- コーヒー
- ジンジャー
- チーズ
- チョコレート
- カレー
- ジェノワーズラスク
- ミルククッキー&杏ジャム
- プレーンクッキー&杏ジャム
- レーズンクッキー&杏ジャム
- コーヒークッキー&クリーム
- スパイスクッキー&ベリージャム
- チョコレートクリーム
- チョコレートクッキー&ヴァニラクリーム
- 銀包装ヴァニラ味 シトロン味
- レーズンロール
- ヴァニラ&チョコレート
- ココア
- ココアメレンゲ
- 抹茶メレンゲ
- 紅茶&スパイス
- アーモンドマカロン
- 粗挽アーモンド
- アニス
- ナツメッグ&シナモン
- ビスキュイ&ベリージャム
- ローストアーモンド
- ピーナッツバター
一番小さいサイズだと全種類は入ってないんじゃないかなーと思う。
で、肝心のお味はというと…。
比較的あっさりめ。しっとりしたクッキーではなく、かなりドライで、サクサクというよりポリポリといった食感。食べ応えがある。濃厚なバター味という感じでもないので、バターに消されることなくそれぞれのフレーバー(スパイス)がしっかり立っている。
もっと劇的に美味しくてビックリするのかと思っていたけど、そうでもないな、というのが正直なとこ。昔ながらの正統派クッキーとして美味しい。
ちなみに、村上開新堂体験といえば、2011年の浴衣パーティに日経の高橋さんが持ってきてくれたゼリーを食べたのが最初だったけれど、このゼリーもまた絶品でした。
去年の浴衣パーティで食べた村上開新堂のゼリー
> 浴衣で神楽坂2010(2011年のはアップしなかったなー)
> 浴衣で神楽坂2009
見た目の華やかさでいえば、そこらのデパ地下で売っているプラカップに入っているものの方が目を引くかもしれないけど、丁寧に手作りしてます感が佇まいから伝わってくる村上開新堂のゼリーはなんだか新鮮。一口食べただけで、ハイカラな洋館にいるように錯覚してしまうような、懐かしいというのともちょっと違うけど、一瞬でレトロな世界にトリップできるような、なんかそんな感じ。味の印象というより見た目から想像される世界観が強烈。
あの鹿鳴館での宴でも、村上開新堂のお菓子が振舞われれていたそうですよ。これぞほんとのセレブ!
国家政策の一貫で、村上光保が洋菓子製造技術習得を命じられたところから歴史が始まった村上開新堂。
いつか、レストランの方にも行ってみたい。クラシカルな装いで。