スカーフと帽子の組み合わせパターン
Posted in 未分類 on 2月 28th, 2015 by chibirashka – Be the first to comment先日紹介した、エルメスの大判ショール(スカーフ)のこちらの巻き方を基本に、今日はいろいろな帽子とあわせてみた写真をご紹介していきます。
巻き方を1種類しか知らないとしても、合せる小物や色使いでかなり印象が変わるという例です。
この記事では考え方のバリエーションを見せるために、スカーフ(ストール)を5枚、帽子を7種類使っていますが、「スカーフやストール、帽子をこんなにいくつも持ってないよー!」という方がほとんどではないでしょうか。
たまたまこの記事で取り上げたアイテムがスカーフと帽子のセットというだけで、アイテムを組み合わせる時、色を組み合わせる時に、例えばどんな風に考えているかという、考え方の例として捉えてもらえるといいかなと思います。
それらは、スカーフとハットの組み合わせだけでなく、トップスとスカート、スカーフとパンツのように、他のアイテムの組み合わせを考える時にも、いくつかの点では応用できるはずです。
さて、今日ご紹介する組み合わせではすべて、前回ご紹介したスカーフの巻き方をしていますので、分からない方は前回の記事をみてみてください。
HERMESの大判スカーフ(ショール)の巻き方
http://jetsetcloset.net/blog/hermes-cashmere-silk-shawl/
はい、早速みていきましょう。
1. スカーフのなかの1色(同系色) × ベレー
ストールは前回と同じHERMESの「Aux Portes du Palais(王宮の扉)」。デザイナーはクリスティンヌ・アンリ。
このストールの巻き方自体が、ドレープが幾重にもできる豊かなニュアンスをもった巻き方ですが、そこにスカーフのなかの一色、ロイヤルブルーのベレーをもってくると、調和のとれた優しげな女性的印象に。ロイヤルブルーのベレーって単体でみるとインパクトありすぎるかしら?とも感じるけれど、案外なんにでも合うのに、無難にならないところが優秀です。今シーズン、私はこのストールとベレーの組み合わせに、ロイヤルブルーの膝下丈のプリーツスカートを合わせたコーディネートを何回か着ました。
2. 黒(スカーフ内にない強い色)× 中折れ帽
全体としてブルーに感じられる色柄にアイボリーではなく真っ白の地色。彩度の高めでアイシーカラーも入ったこのストールは、パーソナルカラーでいうとWINTERっぽいですね。黒も同じくWINTERの色。コントラストの強さに加えてハットというアイテムが男性的で、クールっぽさが出てきます。そのままクール路線で行くなら、マットな質感の黒のレザージャケットと合わせてもかっこ良さそう。よく見かけるレザージャケット x アフガン巻きよりは個性的な印象に。ボトムはスキニーもいいですね。私だったら黒のスウェードのレギンスを合わせちゃう。いわゆるレザーパンツよりはハードさやドラマティックさが押さえられて落ち着きが出せそうなので。
パーソナルカラーについてはこちらも参考に。
以前書いたパーソナルカラーについての記事。
http://jetsetcloset.net/blog/personal-color/
3. スカーフのなかの1色(アクセント) × 中折れ帽(ブリム小さめ)
同じ巻き方をしてますが(ちょっとした調整の差で形は違って見える)、スカーフ単体でみても、色と柄でやはり雰囲気がだいぶ変わります。
ブラシで描いた刷毛跡のようにも見えるデザインと、ハットの羽飾りがリンクしていて、どことなくウェスタンなコーディネートにも見えてきます。
このスカーフは「LA FEMME AUX SEMELLES DE VENT(風の足跡をもつ女)」というタイトルがついているHERMESのもので広げると、山岳地帯を放浪しているように見える絵柄でボヘミアンな雰囲気も漂わせています。
ブリムの小さいハットはどこか軽快感もあり、このハットのデザインはとてもカジュアルです。
今年だったら、アイボリーのニットやレースディテールのワンピやチュニックなんかとあわせたり、フリンジのついたバッグやブーツなんかとあわせると、ボヘミアンなトレンドを表現できそうです。
4. スカーフのなかの1色(ドミナント) × 中折れ帽(ブリム大きめ)
クラウン(頭が入るところ)がグレーのハットは、黒一色のハットよりも断然柔らかさが出てきて、またブリム(ツバ)が大きいので、マニッシュさよりもエレガントな印象になります。
歩いた時に余韻を残すような揺れをつくる柔らかい素材感のフレアスカートなんかと合わせたら、ステキそう。あるいは、いっそ、グレーのスウェットパンツというのもいいかもしれません。超カジュアルで超楽チンなアイテムを崩しすぎず上品にまとめられるので、旅行にもうってつけ。
5. スカーフのなかの1色(控えめな色) × 中折れ帽(ブリム変形、ソフト)
HERMESの「LE LABORATOIRE DU TEMPS(時の実験室)」と名付けられたこのスカーフ。ダークブラウンの地色にカラフルに絵が描かれています。青も赤も緑も果てはショッキングピンクのような色まで、ありとあらゆる色が入っているので、色をリンクさせたコーディネートがしやすい1枚。
写真ではネイビーのラビットハットをあわせました。ハットのベルトはブラウンのレザーなので、ブラウンとネイビーの2色でスカーフとリンクしています。ハット自体も、この記事内のほかのハットと違って、ブリムが変形(正対称ではない)していたり、芯のない1枚フェルトといった作りでミステリアスな上品さが漂います。
色んな色が入っているものの、中心となる深いブラウンとネイビーでぐっと落ち着きを持たせているので、子供っぽいガチャガチャした印象にならずに、アクティブさが感じられます。素材の上質さがあるので、ウールのパンツにあわせてもよさそうだし、快活さとリンクさせて白シャツにデニムといったカジュアルなコーディネートにもはまりそう。
6. スカーフのなかの1色(インパクトある色) × 中折れ帽
HERMESのEtriers(鐙)と名付けられたストール。デザイナーはFrancoise de la Perriere。
確か、復刻デザインだったと思うんだけど、色の組み合わせ的にもいまどきっぽくないというか、レトロな1枚。これまで上記で使ってきたストールと比べると絵柄も具象的で大柄。色の派手さもあいまって全体的に大胆な力強さを持ったストールです。ハットも真っ赤なボディに黒のリボンでインパクト大。
それぞれを単体で使うと、それぞれがコーディネートのスパイスになるアクの強さを持ってるのですが、こうやって強いもの同士で合わせると、逆にカドが取れて丸くなるというか、個性的な印象は残しつつも調和が生まれるように感じます。
ハットの黒のリボン部分とのリンクで、トップスもボトムスも黒で抑えるとコントロールしやすそう。でも、このストールとハットの個性も活かしたいのであまり無難すぎるのも残念。コットンレースのトップスとタイトスカートのセットアップで色は抑えつつ、この大胆なストールに負けないテクスチャーをレースでキープって感じでしょうかね。
7. スカーフのなかの1色(控えめな色) × ラインストーン付きベレー
同じく、HERMESのEtriers(鐙)に、今度はスカーフのなかにも使われているボルドー色をベレーでもってきてみます。6の真っ赤なハットの時よりもグッとシックになりました。形が自由に変わるベレーはハットのかっちりした印象とは対照的にゆったりした柔らかさが出ます。色は落ち着いていますが、フロントとトップについているラインストーンのおかげで地味にならずに、顔周りが明るくなりそうです。とはいえ、やはり秋にトライしたい色味の組み合わせですね。
光沢のあるベージュやゴールドの落ち感のあるパンツでゴージャスな感じにあわせても、柔らかな素材のブラウスとネイビーやブラックのキリッとしたドレスパンツにあわせても、品のいい淑女なスタイルができそう!
おまけ
正方形のストールを使って、このエルメスのスカーフを巻いてきていますが、どうせ対角線に折って三角形にするわけなので、元々三角形のストールを使っても同じ巻き方をすることができます。
この写真がそれです。
フリンジの施されたレースやビーズで装飾がされている三角形のストールです。
ビーズの重みがあるので、三角の頂点の部分が地面方向に垂れていますが、これはこれで動きが出て面白いですね。流れるような優美な印象になりました。
どうでしたか?
スカーフやストールは、巻き方が分からないから使いこなせないという声をよく聞きます。でも、それらを上手に使いこなしている人たちも、決して、何百もの巻き方をマスターして毎回違う巻き方をしているわけではないのです。
同じ巻き方でも、使うスカーフの色や柄、テクスチャー、合せる小物や洋服によって、ずいぶん印象は変わるものです。
どのアイテムもそうですが、スカーフも使うのに慣れるには何度も使ってみることが大事です。同じ巻き方を何度もいろいろな服や他の小物と合わせて試してみると、いつの間にか板についてしっくりくるようになると思いますよ。
ちなみに、帽子もかぶり方でかなり雰囲気が変わったりします。真正面でかぶるのか、目深に被るのか、左右どちらかにやや傾けて被るのか、顔がよく見えるように後ろに下がるようにかぶるのかなど…。
ぜひ試してみてくださいね。