Posts Tagged ‘情報アーキテクチャ’

IA Summit 2011: DAY2

Posted in IA / UX / HCD / UI, カンファレンス・勉強会・仕事 on 5月 3rd, 2011 by chibirashka – 1 Comment

Discussing Design: The Art of Critique

by Adam Connor, Aaron Irizarry

IGNエンターテイメント社のAaronとPad MowのシニアエクスペリエンスデザイナーのAdamによる、デザインクリティック(批評・評論)に関するセッション。

マーケター、ディベロッパーそれぞれに少しずつ異なるボキャブラリーを使っているので共通のボキャブラリーが必要。

クリティックとはプロダクトをより良くするためのasking & understandingである。誰かを批評するということではなく、プロダクトにフォーカスすることが大事。良いクリティックとは常に良い対話のことである。

◯具体的なクリティックセッションの持ち方について

  • そのデザインについて何が起きているかを良く知っている人をセッションに呼ぶ
  • どんな立場の人であれ同等に扱われるべき
  • 何が問題か明らかにするよりついソリューションを提案しがちだが、decision makingはデザイナーに任せる
  • クリティックは何度も繰り返す
  • クリティックを受ける人は、どうやってここまでたどり着いたかではなく、何を目指しているのかをアピールしセッション参加者と共有する

◯紹介されていたツールとテクニック

  • Six Thinking Hats:6つの色の違う帽子が思考モードのメタファとなり、黄色はポジティブとか、赤は情熱的で感情的とか、それぞれのモードで思考する方法
  • laddering:「なぜ」を繰り返すことでコアバリューに到達するインタビューのテクニック

I’m Not Just Making This Up: The Value of Thinking Time in Experience Design

by Tim Caynes

UKのエクスペリエンスデザインエージェンシーでコンサルタントをしている人のセッション。すげー静かにしゃべる人で、なに言ってるかさっぱり分からない。

クライアントはプロトタイプやデザイン案など手にとって分かりやすいものをすぐ欲しがるものだが、一方、制作サイドはそれらを作るためには調査や分析の必要性を説く。つまりソリューションを提供する前にthinking timeが必要。考える部分(thinking time)についてお金が発生するということをクライアントに理解してもらうことは難しい、という問題意識に基づく話。

発見とコンセプトの間には、Ideation & Innovationがある。

プロジェクトにおける Thinking Timeを推測するための 変な計算式が登場。10年の経験の粋を集めて…というようなことを真顔で言ってたけど、多分ジョークと思われる。
ThinkingTime(tt) = days(uxd)/days(week) * crq

計算とかせずとももっとスマートな方法がある。それは、思考過程をビジュアライズすること。
More than 1 head > 1 head(1人で考えるより、みんなで考えた方が効果が大きい)

ワークショップをすることで、Thinking Timeをマキシマイズせよ。コラボレーションはThinking Timeをmultiplyするので、コスト減につながる。

これはまさにコンセントがクライアントプロジェクトで普段やっていることなので、納得度が高い話だった。

Toilet Paper and Information Sharing: Designing Compelling Information Ecosystem

by Justin Davis

toiletpaper

Thinking TimeのTimとは打ってかわり、超アメリカンイングリッシュで声がでかいJustinによる話。

トイレットペーパー買い忘れるとマジ、ブルーだよね、というような話からスタート。グロッセリーショップとはWebサイトやE-mail、買い物の時のチェックアウト(レジでの支払い)といった接点があるにも関わらず、なぜトイレットペーパーを書い忘れちゃうんだろう、トイレットペーパーを買い忘れないためのシステムとは…という題材で、インフォメーションエコシステムについて話された。

ユーザーのインタラクションは連続しており、タスクごとに関係している各デバイスは必要とする情報が異なり、またタイミング(時間)も大事ということを協調。

◯インフォメーションエコシステムについて

  • Information Ecosystemは他の人や会社といった実体とのインタラクションにより作られる生態系。
  • Information Ecosysytemの中にInteraction Ecologyがある。
    このInteraction Ecologyとは「週ごとの食料調達のためのショッピング」といった1つのストーリーを支えるもの。
  • Interaction Ecologyの中に複数のInteractionがある。
    このInteractionとは、food needs audit(何の食料が必要かのチェック)やlistmaking(買い物リスト作成)、shopping(買い物)といった行動そのもの
  • Interactionの中にDeviceがある。
    このDeviceとは、携帯、PC、POSなど。
  • Deviceの中に複数のDataがある。
    このDataとは、例えば食品アイテム、買い物客IDとか、時間や日付、場所や支払い情報など。

例えばfood needs auditを例に取ると、まず情報を集め、買い物リストを作成し、車運転して店にいき、商品選んで、チェックアウトする、というように複数のインタラクションが連続して起きる。

そのため、ユーザーの一連のインタラクションをホリスティックなモデルとしてとらえ、各インタラクション間をデータがどのように移動するのか、といったことに注意することで、よりリッチなexperienceを作れる。

つまり、各インタラクションが発生する場所(家、仕事場)、デバイス(PC、モバイル)、時間がキーになる。

具体的には、「POSが買い物リストを認識してたらどんなことが出来るだろうか」「ユーザーがいつスーパーにいるかを携帯が知っていたらどんなアラートが出せるだろうか」といったように、どのデバイスが、どんな情報を、どのように把握していれば、何を起こせるか、といった検討をするといいよ、ということ。

ちなみに、トイレットペーパーを買い忘れさせないシステムを構築するための3つのポイントとしては。

  • buying trend(どんな頻度で買っているか)
  • shopping trend(週のいつ買っているか)
  • Email borrows data from POS(どんなアイテムを買っているか、顧客IDとヒモづいて持っているなら、リンクさせて活用する)

わりと聞きやすいセッションだったけど、帰国したらすっかり忘れてるところもあり、そんな矢先(?)にたまたまスピーカーのJustinからTwitterでフォローされたので、それをきっかけに、理解を深めるべくメールとかで色々聞いて教えてもらっちゃった。お得。

PANEL: Beyond Digital: What IAs Need to Know About Service Design

by Jess McMullin, Samantha Starmer, Andrea Resmini, Priyanka Kakar

「サービスデザインについてIAが知っておくべきこと」というタイトルで、大きく3つの事例が紹介された。

Jessによるオープニングトークでは、「UX」と「Service Design」という言葉の出現について。「UX」という言葉は1908年(100年以上前)には、マーケティングの差別感のために出現。「Service Design」はそれに比べると新しい(1980年代)。その後、Service DesignについてTheaterをメタファーの紹介。

  • Channel=コールセンターやチラシ
  • Backstage=retail storeのストックルーム=オーサリングコンテンツとか
  • Support=サーバーやpaymentプロセスとか

◯事例1
PriyankaによるVanguard社の
死亡時の保険金関連のサービスにおいて。

人間の感情に配慮したデザインが必要な顕著な例。サービスを受けるためには遺族側が情報提供すべきだが、decision makingすべき人は最もどん底にある人であるケースが多い。

単なるfinancial serviceの提供ではなくそれ以上が求められる。

また、ユーザーの感情は変わりゆくのでホリスティック(総体的)なexperience mapが必要。

例えば、死亡証明書を提出させる変わりに、社会保障情報と連携することで、certificate of deathを送るようにし、遺族側からあれこれ情報を出させずに最低限のやりとりで済ませるような配慮をしたり。

また、人と人との信頼に基づくものであるので、単なるチェックリストにとどまらない、従業員トレーニングを施したり。
◯事例2:
SamanthaによるREI(アウトドア用品のECやretail shop)の例。

REI sells a lifestyle. Lifestyle is made of experience。そのためREIが提供するサービスはexperienceをサポートするものであるようにしている。カヤックを教えるイベント、プロダクト情報だけでなくどうやってプロダクトを選んだらよいかのコンテンツなど。

店舗とオンラインショップの一貫性(プロダクトインフォページに、「カートに入れる」ボタンだけでなく「find in store」ボタンを配置するなど)。

やはりキモは、cross-team pollination(各セクションのチームがどんなことをしているか共有し、理解する)。terminology matters(どんな言葉が使われているのかを知り、共有するのも大事)。
◯事例3:
Andreaによるスウェーデンの交通システムの事例

増える旅行者(通勤)の増加とCO2削減という相反する目的達成のためのデザイン。車通勤者が週の1日だけチャリや歩きでの通勤にすれば目標達成は可能、ただし現実ではない。なので、公共交通システムを改善。ガバメントと起業家、デベロッパー間でデータをAPIを公開しあって、データをオープンにし、より良い道路、より良いサービス、より良いシステムを提供するようにし、シームレスなエクスペリエンスを体験できるようにした。例として自転車レンタル。バスや電車で移動してる間にケータイで、レンタル可能な自転車があるかどうかを確認できるといったサービスとか。
3つの事例に共通するポイントは、

  • holistic experience(総体的な体験)
  • シチュエーションにあったdeliverable(アウトプット)をつくるための柔軟性

The Journey to ‘Yes’

by Alla Zollers, Jeff Parks

けっこう一般論な話なので、そんなに印象に残っていないセッション。

Yesと言わせる(「君たちの会社に任せたよ!」と言わせるとか、ボスを納得させるとか)ための道のり、というタイトル。

「My boss is the problem」というアテンションゲッターからスタート。どんな風にproblemなのか会場からコメントを募る。「くそったれ」「支配的」「とにかく意味不明」などなどFワードに近い単語がバンバン飛び出すww…。

コミュニケーションの90%以上はノンバーバル(非言語的)であるので、E-mailとかで賛同を得ようとしてもそもそもが無理である。

人間はemotionalでsocialなcreatureである。誰もが価値があると思われたい。また、否定的な反応・反抗(Resistance)はエモーショナルなプロセスとして一般的なことであるので、いちいちシリアス(or personal)に受け止めなくて良い。

Closing: Beyond User Research

by Lou Rosenfeld

白クマ本のLouによる土曜日のクロージングの話。Silo(※)をやめて(とっぱらって)、ちゃんと共有していこうぜ、という話。
※家畜飼料貯蔵庫、ミサイル格納庫、他部門と連携を取らない自己中心的な仕事のやり方

Insightsはどこにあるのか
⇒User Research/query data/log from the call center/analytics apps like omniture/voice of the customer research/report from CRM app like Salesforce/research center/agency’s user mental model/agency’s brand architecture research/net promoter score

組織のゴールとユーザーのゴールを理解せよ。

サイロがそれぞれが独立するのではなく、お互いのデータから学べ、またお互いのストーリーを語れ、デザインよりよくするために解決せよ、お互いの仮説をテストせよ。

Challengeとして:Thinking with whole brain
⇒プラクティショナーはどうやって?

  • surf those silos(それぞれのサイロの人と話せ、出かけろ)
  • establish what’s common
  • brown bag it
  • map it

⇒決定者はどうやって?

  • Blue sky it
(どんなだか忘れた)
  • Refudiate it
(どんなだか忘れた)
  • Put them together
  • Win it(
insightsのサイロをintegrateできる会社は競合を出し抜ける)
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IA Summit 2011: DAY1

Posted in IA / UX / HCD / UI, カンファレンス・勉強会・仕事 on 5月 3rd, 2011 by chibirashka – 1 Comment

Keynote: Data: potential and pitfalls

by Nate Silver

統計学によりインサイトを明らかにする「スプレッドシートの魔術師」Nateによる基調講演。2008年の大統領選では統計学により、50州のうち49州について予想を的中させた人物。
データとは、生の素材であり、フィクションストーリーではない。
80/20の法則:8割のデータは割とたやすく手に入る。2割から差別化、競争力のある優位性が生まれる。
まずは信用度の高いデータを使え。数と質のマトリクス。

  1. High Quality×High Quantity ⇒ 最も理想的。でも現実にはほとんど起き得ない。
  2. High Quality×Low Quantity ⇒ 次に理想的。さらなる調査の強固な基礎となりえる。
  3. Low Quality×High Quantity ⇒ 3番目。
  4. Low Quality×Low Quantity ⇒ 使えない。

We Are All Content Strategists Now

by Karen McGrane

スピーカーは、以前、レーザーフィッシュにいたUXの人。現在は、School of Visual Artsでデザインマネジメントを教えたりもしている、カレン・マクグレーン。

綺麗にラッピングされているのに箱をあけてみたら空っぽというギフトボックスをメタファーに、IAの人達は、なにが問題かを特定し、プロセスを定義し、ダイアグラムを作るのも得意だが、コンテンツがない、ということを指摘。コンテンツについてもっと議論すべきではないか、という話。

  • 美しいラッピング=ビジュアルデザイン
  • どんな状況でプレゼントをあげるか、開ける時のエクスペリエンス=IA、UX
  • 箱の中身=コンテンツ

媒体がいろいろあるので、チームが同じ方向をむいてコンテンツを作って行くには強力なストラテジーが必要。コンテンツストラテジーは、IA(およびUX)、CMS(およびテクノロジー)、ソーシャルメディアマーケティング(およびマーケティング)のどれにも関係するエリアの話である。今日からできるコンテンツストラテジーとして、次の4つ。

1. Think Beyond the template(テンプレートにとらわれるな)
既存コンテンツの扱い方。 Webサイトが新しくなると、 同じコンテンツを使っているにも関わらず、がっかり度が高くなったりする。bestとworseのexampleコンテンツのプロトタイプを作れ。プロジェクトプランのタイムラインの中に、コンテンツについても入れよ。コンテンツ移行については早い段階からとりかかれ

2. Evaluate Content quality(コンテンツの質の評価)
ただ目録を作るのではなく、中身を精査せよ。ステークホルダーに対してのアプローチが適切であるような戦略を練ろ。持っているものと必要なもののギャップに関する分析を行え。コンテンツに対してもユーザビリティテストを行え。ゴミをいくら分類したとこでゴミである。なにがゴミで、なにがそうでないかを見極めろ

3. Plan for content creation(コンテンツ制作のプラン)
コンテンツについて考えるときには、全体のブランドメッセージについて考えよ。組織のパーソナリティがどうであるか。画像・ビデオなどについてのガイドライン、コンテンツのライフサイクル(どんなタイミングで更新され、編集され、削除されるか)について指示せよ。web、メール、ソーシャルなどさまざまなタイプのチャネルについてどのように扱うか指示せよ。

4. Don’t fear new roles(新しい役割について恐れるな)
UXなんちゃらとか、ホニャララデザイナーとか、名前がいろいろマッシュアップされている。役割や領域の量に圧倒されている? オーバーラップするところもあるし、そうでないところもある。 お互いにコラボレーションすれば良い。

Creating a Navigation System… for Your Career

by Shai Idelson

元ミリタリーにいたという異色の経歴を持つShaiによる、キャリア形成についての話。

ミリタリーにいた時、(中東に派兵されてた時だっけな)とても寒く、とても暗い夜中、次のミッションを待つ間、ほんとにやりたいことはこれなんだろうか?そんな風に思った…、みたいなところから話がスタート。

IAはナビゲーション作るの得意なんだから、自分のキャリアを考えるときにも、ナビゲーション設計せよ、というような話。

  • Understand where you are now.(今いる位置を知れ)
  • Decide where you want to go(どこに向かいたいのか決めろ)
  • Identify the gap, then plan to close it(ギャップを特定し、埋めろ)

今の仕事を最大限活用しつつも、いつが去り時か知り(会社の組織がダメな時とか、モチベーションを下げる要因があるような時)、次の仕事を探す(自分にとってのドリームカンパニーはどんな会社なのか、また、誰と/誰のために働きたいと思えるか)ように、ということを話していた。

Upping Your Game: Five Things Information Architects Need To Talk About More

by Leanna Gingras

IAはIA以外のトピックについてあまり話をしていないのではないかという懸念から行われたセッション。

例えば以下5つのトピックについてもっと見識を広めたらいいのではないかという提案。

  1. Statistics:”R in a nutshell”というオライリーの本を紹介。エクセルは使えないので代替として。訴えたいことを訴えるストーリーになってるように。
  2. Business Skill:”SWITCH”という本。ステークホルダーや組織について学べ。
  3. Psychology:人間のためにデザインしているのだから人間について学べ。human behaviorとか。
  4. Narrative Fiction:プロットやシナリオ、ライティングのスキルをあげよ。相関やストラクチャ。
  5. Interpersonal Relations:結局は信頼を培うことが、仕事を終わらせるのに効果的である。

いろんな分野の本を読んだりして互いにシェアしましょう。色んなことに好奇心を持って、オープンマインドで、吸収するのが大事。

UX Communities: Starting from the Beginning (panerl)

by Matthew Solle, Martin Belam, Joe Sokohl, Eric Reiss

UXコミュニティについてのパネルディスカッション。ブリティッシュイングリッシュでモシャモシャしゃべるモデレーターとパネル達で、私には何言ってるかさっぱり分からなかった。

パネルというかオーディエンスも丸く輪になって、ディスカッションに参加するスタイルで、各地域のUXコミュニティ運営について、相談したり、アイディアを出したり…といった内容。

唯一聞き取れたのは、サウスフロリダから参加してた人の悩み(スポンサーのいないUXコミュニティ運営でスピーカーを確保するのが難しい)に対して、LAの人が、ぺちゃくちゃナイト(show&tellみたいに参加者がマイクを持って話すスタイル)がいいよ、と言っていたことぐらい。


Posting Our Hearts Out: Understanding Outline Self-Disclosure for Better Designs

by Javier Velasco-Martin

コミュニケーションツールごとに、intimacy(親しさ)を感じる度合いがあるのか、オンラインで個人的なことを打ち明ける(Self Disclosure)モチベーションは何なのか、またそこでデザインはどんな役割を果たすのか、についての研究。

オーストラリアのドナ・スペンサーというIAの彼女がtwitterで「明日デートだから楽しみ!」と発言していたのを引き合いに出して「何でそれ書いたの?」と本人にインタビューするなど、オーディエンスとやりとりしながらのセッション。

オンラインSDのモチベーションや実際に行うかどうかのvariables(影響する要素)として、Personal(Catharsis, Loneliness, Self-esteem, Work Experienceとか)、Technology(Frequency of use, Social response)、Social(social context, the people we are having a conversation with)という異なる3グループがあるとみている。

調査では、5つの主要なCMC-Computer Mediated Communication-ツール(Email, IM, Blog, Facebook, Twitter)でのSDとfrequency of useには強い相関があることが示唆されている。

現在もまだ進行中の研究なので、最終的な明快な結論はまだ出ていなそう。

Closing: The Most Valuable UX Person in the World

by Jared Spool

有名NASCAAドライバーやシャラポアなど超有名テニスプレーヤーとそれぞれの獲得賞金の写真を見せながら、スポーツ界ではランク付けが容易で、誰が最も価値あるプレーヤーなのかを測ることができる。

では、UXについてはどうやって、良し悪しを見極めるのか、というのがこのクロージングのテーマ。

採用担当を助けるための視点として、certificate、ポートフォリオ(decision processがどうであるかを知る)などがある。

どうやったらvaluableなUXパーソンになれるか。そのためにはプロジェクトワークだけではなく、practiceやcritiqueも必要。mentor-and-apprentice(徒弟)モデルも必要、デザインボキャブラリーを増やすことや、カリキュラムを作っていくことも大事。(body of knowledge trapを避けよ)。

世界で最もValuableなUXパーソンというキャッチーなタイトルだったけど、特定の誰かや特定の分野にフォーカスするという風でもなく、要は、It’s You! みたいな話か、と理解した。

Posters & Reception

concent-model_to_page-design_ias11

コンセントの今年のポスターは、”Content Model for Page Design”。
AppleのiPadのコンテンツモデルとWebページを例にあげて、コンテンツモデルを用いてページデザインを行うことができるということを説明。

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IA(情報アーキテクチャ)とUX(ユーザーエクスペリエンス)の認知度

Posted in IA / UX / HCD / UI on 4月 20th, 2010 by chibirashka – Be the first to comment

先日、コンセントのサイトで、IAとUXの認知度調査の結果を公開しました。

調査自体を実施したのは2009年の夏で、ちょっと時間が経ってしまっているのですが…(すみません。。『IA100』とかにうつつを抜かしてました。それにしても遅すぎなんだけど…)

単なるWeb閲覧とかではなく「業務でWebに関与している人」をスクリーニングして実施しました。「Webに関わっている人」というセグメントは相当ニッチらしく、利用したネットリサーチ会社でも属性として持っていなかったので、どんな設問で聞いたら抽出できるのか、けっこう悩みました。

調査自体は、めちゃ面白い結果というのは得られませんでしたが(だいたい想定範囲というか…)、主な結果として

  • Web業務に携わる人でも「IA」や「UX」について知らない人が約7割
  • 「IA」「UX」の認知時期はここ1年が圧倒的

というものが出ました。

>>コンセント:情報アーキテクチャ(IA)/ユーザーエクスペリエンス(UX)の認知度調査

また、2月に「IA2010」というイベントがあり、長谷川さんが基調講演を行い、終了後には、参加者の方にコンセントが独自でアンケートをとらせてもらいました。さすがにイベントタイトルに「IA」を冠しているだけあって、参加者は基本的には何らかの形で「IA」を知っていたと考えられますが、イベント前の段階で「IA」と聞いてイメージしていたものとして、「サイトマップ」「ワイヤーフレーム」といった、実態として見えるものを挙げる人が多くいました。

ちなみに、今回公開していない資料の中に、『IA100』を読んでいた人とそうでない人の、IAに対するイメージの違いについて調べたものがあるのですが、『IA100』を読んでいた人の方が、そうでない人よりも、「サイトマップ」「ワイヤーフレーム」という回答が少なく、「Webガバナンス」「ブランド戦略」を挙げる人が多くいました。

>>コンセント:「IA2010」出席者アンケート(抜粋)

どちらの調査も母集団が多くないので、絶対的な指標とは言えませんが、傾向把握できるのではないでしょうか。

ちなみに、今朝、福岡にいる稲本さん(evenina)が、福岡でのHTML5勉強会の様子をメールしてくれました。彼はそこでIAについてプレゼンテーションを行ったそうです。20名ぐらいの参加者中「IAなんて初めて聞いた」という方が半数、「IAはなんとなく聞いたことがある」という人も含めると、7割程度の方は、まだそれほど意識していないようだった、と教えてくれました。

>>稲本さんのブログ:[HTML5]勉強会にいってきた4 〜IAについて話した〜

多分、言葉として知らなくても、デザイナーやディレクターは無意識のうちにできているのでしょうし、言葉の認知が重要というわけではありません。

でも、そういう言葉で定義されてるものなんだ、ってことが分かると、すでに世の中(海外とかも)で実践され蓄積されているノウハウやツールを、簡単に取り出すことができ、利用することができるので、便利なのではないかなと思います。

どうやったらIAの認知をスムーズに進めるかっていうのが課題なんだけど、なんとなく最近思っていることは、外の世界からIAを語らないとダメなんだろうなーということ。あんまりアイディアがまとまっていないので、細かく書けないけど…。

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IA Stencil(Site-it!)

Posted in IA / UX / HCD / UI on 4月 10th, 2010 by chibirashka – Be the first to comment

情報アーキテクチャ関連のイベントやセミナーに持って行くと、みなさんに興味を持ってもらい、「欲しい!欲しい!」コールが巻き起こる(言い過ぎ?)Site-it! ことIA Stencil

IA Stencil

これまでは、OmniGraffle用ステンシルのみ、コンセントのサイトで提供していましたが、OmniGraffleを使っていない人も多いので、先日から汎用的な各種フォーマットで提供しはじめましたよ。入手できるフォーマットは次の通りです。

  • OmniGraffle用ステンシル
  • Illustratorファイル(.aiフォーマット、1種類1ファイルの7ファイルセット)
  • PDFファイル(1種類1ファイルの7ファイルセット)
  • EXCELファイル

設計ドキュメントに使うも良し、印刷して使うも良し、みなさまの情報アーキテクチャライフを快適に♪(違)

ファイルのダウンロードは、コンセントLABSからどうぞ〜。

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『IA100』スペシャルサイト

Posted in Diary on 12月 17th, 2009 by chibirashka – 3 Comments

書籍『IA100 ユーザーエクスペリエンスデザインのための情報アーキテクチャ設計』が出版されてから、もうすぐ2ヶ月が経ちますが、あちこちから反響があって嬉しい限りです。

日経ビジネスオンラインでも、花王の本間さんにご紹介いただきました。(ありがとうございます)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/nmg/20091201/211055/

『IA100』の編集に直接関わっていたのは社内でも、著者の長谷川さんと私の2人だけだったのですが、本が刊行されるなんてなかなかない機会です。(そんなにおおっぴらに表情には出さなくても)社内では出版のお祝いムードっていうのが実はあって、スペシャルサイトを作ろう!ってことになりました。

コンセントは出版社ではないので、正直、本のプロモーションそのものには、それほど義務はありません。(もちろん、広報的にとか営業的には、『IA100』が売れて、認知が上がることで、IAを啓蒙して市場を広げるとか、コンセントのことを知ってもらうとか、できたらいいなとは思います。)

だから、スペシャルサイトという発想は、本の販促のためのプロモーションサイト、というわけではなく、あくまで「長谷川さん、おめでとう!という気持ちを伝えたい」「確かにIAは抽象的で小難しい感じはするけれど、もうちょっと親しみを感じてもらいたい」「クライアントプロジェクトではなかなかできないようなことを、何かやってみたい」みたいなところから出てきました。

たまたま何人か集まってだべってたソファの辺りで、雑談からなんとなくの企画が生まれ、社内のいろんな人を集めてブレスト、要素の抽出・類型化、設計、アートディレクション(世界観定義)、デザイン、撮影…ってことを、勢いでガーッとやり、最初の1-2週間でプロト完成。

その後、ブラッシュアップ、テスト、ブラッシュアップ…とやってきて、ちょっとゴニョゴニョっとしたことがあり(謎)、しばらく寝かせる期間もあったので、結局は着手してからずいぶんと経ってしまったのですが、やっと本日、IA100スペシャルサイト「IA100: Itsudemo Atsushi 100%」をロンチしました。

>>ニュースリリース「コンセント:『IA100』スペシャルサイトを公開」

ia100_screenshot

どちらかといえば、長谷川さんをリアルに知ってる人が見た方が面白いコンテンツなのですが、単純に、『IA100』に出てくるキーワードの復習という風にも使えるので、ぜひ見てみてください。

みんな、クライアントプロジェクトが恐ろしく忙しい中で、「講演とかでは見せない、普段の長谷川さんを見て欲しい!」という思いだけを拠り所に(ほんとか?)、試行錯誤しながら作りました。

私は今の業務ではクライアントプロジェクトを持っていないので、夜中までみんなで議論したり、課題をクリアするためにアイディアを出し合って磨き上げるようなことって、けっこう久しぶりで楽しかったな。(自社サイトリニューアル以来というか…)

「IA100: Itsudemo Atsushi 100%」
http://www.concentinc.jp/ia100/

[IA100 Special Site Project]
D: 足立邦登、河内尚子
PM: 足立邦登
AD: 小原千寿
De/Ph: 此谷内遙介
TD/Fl: 計良拓行
HT: 平木聡子

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Site-it! のステンシル

Posted in IA / UX / HCD / UI on 12月 4th, 2009 by chibirashka – 3 Comments

株式会社コンセントが開発した、サイトストラクチャ検討ツールSite-it!

IAについてよく分かる書籍『IA100』をコンセントのサイトで購入すると、Site-it! がもらえるキャンペーンをやっているのですが、Site-it! が非売品なだけに、ご好評です。

Site-it! は、Webページの7種のパターンがあらかじめプリントされた付箋紙で、ワークショップ型でサイトストラクチャの検討を行うときに使うことができるのですが、「このページって、こうだよね」っていう共通理解を得るために使います。

しかし、ワークショップのような場面だけでなく、サイトマップを書いたりするときにも、こうした共通理解があった方がいいわけです。もちろん、サイトの全体感をざっくり捉えることが目的のサイトマップであれば、メニュー名やページ名が入っていれば十分かもしれません。でも、もう少し踏み込んだ目的のものであれば、「あれ、このページって、リスト型の一覧ページだと思ってたー」「いやいや、画像入りの詳細ページだよ。だから、画像素材と原稿を用意しておかないとね」というところまで把握できた方が便利です。

そんな時に使えるのが、今回コンセントラボで公開を開始したSite-it! のOmniGraffle用ステンシル

OmniGraffleでSite-it! ステンシルを使って、簡易サイトマップを書いてみたとこです

OmniGraffleでSite-it! ステンシルを使って、簡易サイトマップを書いてみたとこです

このステンシルは、クリエイティブコモンズライセンス「表示-非営利-改変禁止 2.1 日本」(※)の条件のもと公開してますので、ぜひ、みなさん使ってみてください。

Site-it! についての詳しい解説は、『IA100』の69番目のトピックを読んでみましょう。

※Site-it! はコンセントの登録商標です。

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IA100:ユーザーエクスペリエンスデザインのための情報アーキテクチャ設計

Posted in Book, IA / UX / HCD / UI on 10月 11th, 2009 by chibirashka – 8 Comments

IA100

ついに!ついに!ついに、出ますよ!『IA100

Myボス長谷川さんが、睡眠を削りながら、執筆した一冊が。

自身のこれまでの知識、経験を惜しげもなく詰め込んでます。

情報アーキテクチャは、Webに関わる人であれば身につけておかなければいけないスキルの一つ。それを「情報アーキテクチャ」「IA」として認知しているかどうかは別として、むしろ実践していなければ、特に大規模サイトなんかは作るのが困難と思われます。

でも、抽象度の高いエリアでもあるので、勉強するにもとっかかりを掴みにくい分野とも言えるかもしれません。私も、IAについて知りたいと思って、どうやったら学べるんだろうと思って、過去に大学院を探したぐらい。結果的にコンセントに入って今に至るので、大学院には行かなかったけど。

他のスキルもそうだと思うけど、実践だったり、周りで実践している人のやり方を見て学ぶとか、そういうのが結局は学ぶための近道な気がする。とはいえ、やはり前提としてある一定の知識は必要だし、そうした知識はできるだけ体系だてて学ぶのが理想的だと思う。

IA100:ユーザーエクスペリエンスデザインのための情報アーキテクチャ設計』は、これだけは知っておきたい100個の項目を、見開きで1トピックずつ丁寧に解説してます。本の作りとしては、「Design rule index—デザイン、新・100の法則」みたいな感じです。

「で、結局、IAの検討をドキュメントに落とすときは、どんな体裁になるのよ?」みたいな疑問だけが残ってしまわないように、実際のドキュメントサンプルなんかも図版としてふんだんに掲載してます。

書店に並ぶのは10月末ですが、予約受付が始まっています。

刊行キャンペーンとして、コンセントのサイトで『IA100』を予約/購入すると、コンセントが開発したSite-it! (IAプロトタイピングツール)がもれなく貰えますので、ぜひぜひお見逃しなく〜。(キャンペーンは12月20日までの期間限定です)

■書名:IA100:ユーザーエクスペリエンスデザインのための情報アーキテクチャ設計
■著者:長谷川敦士株式会社コンセント
■出版社:株式会社ビー・エヌ・エヌ新社
■版型:A4変形 224ページ
■定価:3,360円(税込み)
■刊行:2009年10月27日

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企業のブランド戦略を促進するWebサイト設計の要点

Posted in IA / UX / HCD / UI on 9月 17th, 2009 by chibirashka – Be the first to comment

Myボス長谷川さんがWeb担当者Forumに執筆している連載記事「IA視点のWebプロジェクト」の最新記事がアップされています。

第5回:「企業のブランド戦略を促進するWebサイト設計の要点」

先日のCSS Nite, LP7(IAスペシャル)のおさらいであると同時に、あの時、関心が高かったEIAとブランド戦略(カネボウ化粧品さんの事例で紹介)のことについて、より詳しく説明している記事です。

ボスと一緒に、3月のIA Summitでポスター発表してきた「EIA as Brand Strategy」を解説している感じかな。

コーポレートサイトのみならず、製品サイトやらマーケサイトやらブランドサイトやら、企業が複数のサイトを持つケースは少なくないわけですが、各サービスや製品のブランドをどのように展開するか、ということについては、ブランドポートフォリオ戦略が重要です。ブランドポートフォリオ戦略については、David. A. AakerのBrand Portfolio Strategy: Creating Relevance, Differentiation, Energy, Leverage, and Clarityに詳しいです。

顧客は、製品/サービス自体、カスタマーサポートの対応など通じてブランドを認知し、印象を受け取ります。Webサイトもブランドを伝えるものの1つです。ブランドポートフォリオ戦略が練られていても、それが顧客に正しく伝わらなければ、効果は発揮できません。そのため、Webサイトはブランド構造を反映したものになっているべきです。特に、サイトトップページやメインメニューには注意を払う必要があります。なぜならサイト利用者は、トップページやメインメニューから、サイトの主題やブランドを認識し、またそのサイトが自分向けであるかどうかを感じるからです。どんなユーザー体験をさせるか、ということは、ブランド体験にも影響します。(って、つい真面目モードで書いちゃったよ・・・)

でもそれ以前に、サイトの読み込みが遅いとか、やたらとプロモーションがうざいとか、構造以外のところで、イヤな経験をしてしまって、ブランドのイメージが悪くなる、とかはありえる。まさに、こないだShangri-La hotel Tokyoの宿泊とスパの予約をした時がそう!

と、話がそれたけど、そんなような話が書いてあるので、ぜひWeb担の記事読んでね!というお知らせ。

Brand Portfolio Strategyの日本語版は、これっぽい。

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