IA(情報アーキテクチャ)とUX(ユーザーエクスペリエンス)の認知度

先日、コンセントのサイトで、IAとUXの認知度調査の結果を公開しました。

調査自体を実施したのは2009年の夏で、ちょっと時間が経ってしまっているのですが…(すみません。。『IA100』とかにうつつを抜かしてました。それにしても遅すぎなんだけど…)

単なるWeb閲覧とかではなく「業務でWebに関与している人」をスクリーニングして実施しました。「Webに関わっている人」というセグメントは相当ニッチらしく、利用したネットリサーチ会社でも属性として持っていなかったので、どんな設問で聞いたら抽出できるのか、けっこう悩みました。

調査自体は、めちゃ面白い結果というのは得られませんでしたが(だいたい想定範囲というか…)、主な結果として

  • Web業務に携わる人でも「IA」や「UX」について知らない人が約7割
  • 「IA」「UX」の認知時期はここ1年が圧倒的

というものが出ました。

>>コンセント:情報アーキテクチャ(IA)/ユーザーエクスペリエンス(UX)の認知度調査

また、2月に「IA2010」というイベントがあり、長谷川さんが基調講演を行い、終了後には、参加者の方にコンセントが独自でアンケートをとらせてもらいました。さすがにイベントタイトルに「IA」を冠しているだけあって、参加者は基本的には何らかの形で「IA」を知っていたと考えられますが、イベント前の段階で「IA」と聞いてイメージしていたものとして、「サイトマップ」「ワイヤーフレーム」といった、実態として見えるものを挙げる人が多くいました。

ちなみに、今回公開していない資料の中に、『IA100』を読んでいた人とそうでない人の、IAに対するイメージの違いについて調べたものがあるのですが、『IA100』を読んでいた人の方が、そうでない人よりも、「サイトマップ」「ワイヤーフレーム」という回答が少なく、「Webガバナンス」「ブランド戦略」を挙げる人が多くいました。

>>コンセント:「IA2010」出席者アンケート(抜粋)

どちらの調査も母集団が多くないので、絶対的な指標とは言えませんが、傾向把握できるのではないでしょうか。

ちなみに、今朝、福岡にいる稲本さん(evenina)が、福岡でのHTML5勉強会の様子をメールしてくれました。彼はそこでIAについてプレゼンテーションを行ったそうです。20名ぐらいの参加者中「IAなんて初めて聞いた」という方が半数、「IAはなんとなく聞いたことがある」という人も含めると、7割程度の方は、まだそれほど意識していないようだった、と教えてくれました。

>>稲本さんのブログ:[HTML5]勉強会にいってきた4 〜IAについて話した〜

多分、言葉として知らなくても、デザイナーやディレクターは無意識のうちにできているのでしょうし、言葉の認知が重要というわけではありません。

でも、そういう言葉で定義されてるものなんだ、ってことが分かると、すでに世の中(海外とかも)で実践され蓄積されているノウハウやツールを、簡単に取り出すことができ、利用することができるので、便利なのではないかなと思います。

どうやったらIAの認知をスムーズに進めるかっていうのが課題なんだけど、なんとなく最近思っていることは、外の世界からIAを語らないとダメなんだろうなーということ。あんまりアイディアがまとまっていないので、細かく書けないけど…。

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