9月12日、CSS Nite LP7に行ってきました。
場所はベルサール神田。半蔵門線の大手町駅でベルサールに一番近いC1出口に向かう途中、なんとなく懐かしい感じに襲われながら、階段を上っていたら、KDDビルにつながってる出口だった。あー、なるほど〜。そりゃ、懐かしいわけだよ。
でも、だからといって決して大手町の地理に明るいわけではないので、迷わずタクシーでピューッとベルサールへ。(厳密には隣のデニーズで腹ごしらえ)
関係者としての出席だったので、チラシ折り込み(?)等準備で、受付開始の1時間ぐらい前からいたんだけど、着いてまず会場の広さに圧倒された。
そして、その広い会場もどんどん埋まって、満員御礼な感じは圧巻!
撮影:飯田昌之氏
しかし何よりも衝撃だったのは、生きてる間に二度とこの人には会わんだろうな、と思っていた人に遭遇し、さらに名刺交換する事態になったこと。Wow!
そういうわけで、心臓がバクバクなった結果、セッション自体は7-8割しか耳に入ってこなかったような気がしなくもない(おいっ)。
各セッションをかいつまんで、とりあえず記録。
[1]
情報アーキテクチャの全体像
〜ワークフローとケーススタディ〜
株式会社コンセント 長谷川敦士 Ph. D.
IAに登場する要素の全部入り的な、全体像を伝えるセッションでした。
- IAは分かりやすさのデザインだよ
- IA設計っていうのはみんなでやることなんだよ
実はコンセント社内でやっている「IA塾」という勉強会で、このセッションのリハーサル的なものをやり、社内のスタッフの反応をみつつ、構成を手直ししたり、時間調整を行ったり、けっこう気合いを入れてプレゼンの準備をしたのですよ。(私じゃなく、ボスがね)。
ちなみに、このセッションの中でボスが紹介していた、ドキュメント類などでコンセントのサイトからダウンロードできるようなものについては、このブログ記事の下の方に書いてますので、興味ある人はそこからどうぞ。
[2]
プロジェクトマネジメントから見たIAの大切さ
株式会社ロフトワーク 林千晶さん
IAの専門家ではない人が、中〜大規模なサイトを作るときのTIPSを紹介するセッションでした。
- プロジェクトマネジメント計画書を作りましょう
- 品質計画のための手法「ベンチマーク」というのは、暗黙の前提である。ベストプラクティスを使おう
プロジェクトマネジメント計画書は、コンセントで言うとこのクリエイティブブリーフみたいなもんですね。
CCBS(CMS Corporatesite Base Structure)の紹介の時に「これを作ったのは、前から4列に座っている彼女が作ったもので、今はコンセントにいるんだけど」と紹介され、鳩が豆鉄砲を食ったようになってしまった・・。確かに作った、、懐かしい・・。今の知識とかがあればもっとこうできたな、とか色々あるけど、きっとその後ブラッシュアップされていることでしょう。
あと、千晶さんは、草間彌生さんが大好きだし、そしてプレゼンの時は勝負靴を履く、とっても女性らしいキュートな方なので、草間彌生×LANCOMEのポーチをプレゼントしました。喜んでくれて良かった♪
[3]
IAの欠点〜IAの本来の目的と役目
ソニー株式会社 佐藤 伸哉さん
制作サイド、クライアントサイドの双方が「なぜIAを行うのか」を理解するためのセッション。
- IAは全体プロセスの1ステップでしかないことや、IAだけでは完結しない(前後の工程が必ずある)ことがIAの欠点。
- 前後に何があって、どういうことと関係するから、そのIA作業が必要なのかを考える必要がある。(各成果物を作る理由は?)
- 不必要な作業はやらない。
- 良いサイトを作るためにIA作業がある。
あえて反論的なタイトルで話を進められていたのが、さとさんらしい。とても理解しやすかった。
[4]
IAワークショップ〜LPOをテーマに〜
ネットイヤーグループ株式会社 坂本 貴史さん
特定のページへの誘導を目指すリニューアル、を題材として、ワークショップで実践力を養うセッション。
同業他社のサイトをベンチマークしてみる。他社と異なるコンテンツ(独自コンテンツ)が、その企業のアイデンティティを訴求する
・最適なメインメニューを書くには、
- 情報の共通項を見つける
- 他社との共通項を見つける
- 重視する方向性を決める
・ナビゲーションを考えるには
- 文脈を正確に
- 利用目的で方向性が決まる
- 行き止まりを作らない
・導線を考えるには
- 始点はホームだけじゃない
- 目的達成のための導線は個別最適
・IAは目的を実現するためのアプローチだよ
坂本さんは「導線」という言葉を使うのですね。コンセントだと「動線」です。
このセッションは宿題が出ていたんだけど、ちゃんとこなすまでは至らず。。構造がどうなってるか考えるために、ストラクチャを途中まで書いたところで、私は力尽きてしまった。。
ユーザーニーズによりサイト要件を整理する(WorkSheet IV)というワークがあり、ずーっと前に参加したWebSig(IA分科会)でもこんなアプローチのワークがあったんだけど、ユーザーニーズやシチュエーションを考えるときのフレームワークとしてはAIDMAはどうしても使いにくい、と思ってしまう。。InterestとDesireの差が曖昧というか。
それにしても、坂本さん、ほんとよく、いい題材サイト見つけてきますね。どうやって探してるんだろ。
[5]
実装視点からのボトムアップIA
Information Architecs, Inc. 小久保 浩大郎さん
前提:ページ<フロントエンド(ページはフロントエンドに含まれる)
- IAはデザインタスクのどのレイヤーにも必要な「情報の抽象化」スキルを取り出したもの
- インターフェースからインタラクションが発生
- インタラクションの結果としてUX
- インターフェース=ブランド
- 今からでも遅くない。HTMLの文書モデルを学ぼう。
- 見出しには、コンテンツのグルーピングのための見出しと、コンテンツの理解を促進するための句読点的な見出しがある。
う〜ん、分かったような、分からないような。
なんかもっと、具体的にコードを見せて説明するようなセッションかなーと想像してたので、ちょっと違った。
[6]
IAからWebサイトデザインへの突破口
長谷川 恭久さん
THEヤスヒサさん、なプレゼン。
- サイトやページを探してるんじゃない。情報を探してるんだ。
- 「共有」というのが必須コンセプトである。
- 体験の具現化(利用シチュエーションをUIに生かす)
- パターン(すでに共有されている知識の再利用)
- オープンスタンダード(人が使ってるものを使うと、障壁を取り除くことに寄与)
[7]
パネルディスカッション
ALL
まったくもって、パネルで行われたQAの中身や本質とは違うんだけど、ヤスヒサさんが言った「IAの人は言葉にセンシティブ」っていうのが「AGREEEEEEEEEEEE!」って思った。
【イベント全般】
これだけの規模のイベントをオーガナイズするのは本当に大変です。出席者の期待感やIAの理解度も全然違う状況で、セッションの企画をしなければいけないし。それ以外の細かな点についても、色々フォローしていただいて、鷹野さんには本当に感謝しています。ありがとうございました。
そして、矢野りんさんや「カニの貴公子」益子さんも、当日のMCやセッティングだけでなく、企画段階からたくさんアドバイスとかくださっていて、スピーカー以外の多くの人の支援があってこそだなーと、改めて思いました。
【補足情報】
では最後に、私がCSS Nite中に、せっせとTwitter(@chibirashka)につぶやいてた、主に長谷川セッションの補足情報を。
visual vocabularyの翻訳版はこちら
そうです!広報会議にも掲載されました。 RT @: 広報会議にも出てた図かも
コンセントがトータルプロデュースしているカネボウ化粧品さんのサイト
「IA100」を予約申込していただくと、なーんと、非売品のSite-it! がもらえます。配付資料をみてくださいねー。
IA Institute
EIA as Brand Strategyはこちらでダウンロードできます。日本語版もあります。
メニューラベルの検討については、HCD-Netのサイトを題材に具体的な例を、Web Designing8月号の「my first IA」という連載記事の中で書いてます。長谷川が。
7つのナビゲーションの説明に使われているHCD-Netのサイトは、アックゼロヨン・アワード入賞しました。
7つのナビゲーションの資料はこちらです。英語版ですけど。
Site-it! についてはこちら
詳細まではお見せできませんが、コンセントの、シナリオ/ペルソナを用いたプロジェクトポートフォリオです。
コンセントで翻訳したクリエイティブブリーフはこちらでダウンロードできます。