submarine cable

2008122222-1

地中海あたりの海底ケーブルが切断されたようですね。昨年初頭に切断され復旧したばかりだったのに。2本も。さらにもう1本も機能していないらしい。

3本のケーブルは『SEA-ME-WE 4』(SMW4)と『SEA-ME-WE 3』(SMW3)、『FLAG Europe-Asia』で、いずれもエジプト、イタリアの海底で切断されたとのこと。

地中海でまたも海底ケーブル切断――中東・アジア14ヵ国に影響

って、なんでこんなマニアックなニュースに反応するかというと、元国際通信専業の通信会社で広報室にいたから〜。通信事業者にとってケーブルの切断はかなり大きい事故なので。

インフラ系の会社はどこもそうだと思うけど、ネットワークに関して24時間監視が行われていて(まさに、爆笑問題が出てるdocomoのCMで出てるようなあんな部屋)、何十インチものでかいパネルが十数枚並び、各地域のケーブルの状態、inbound/outgoingの状態、CNNのニュースがモニターされてるのね。

CNNがモニターされているのは、内戦、紛争、戦争、災害などのbreaking newsなんかをみて、いち早く、対策を取るため。何かが起きた時には、このネットワーク監視のスタッフたちが、諸外国のキャリアと連携して対応にあたるんだけど、英語とかでやり取りしてるのが、新入社員だった私にはなんかかっこ良く見えたのよね。

もちろん、こうした事故に備えて海底ケーブルはループ構造になっていて、いざという時には迂回ルートを設定することで、トラフィックダウンを回避できるようにはなっているんだけど、おそらく、音声通信だけの頃と違って、大量のデータが転送されていると思われる現在では、バックアップケーブルがあるとしても、切断による影響は大きそう。

ちなみに、この地中海海域でのことはよく分からないけど、日米間の海底ケーブル敷設方法は、日本側からはKDD(現在のKDDI)の船(私が在籍してたころは、KDD丸とかKDDオーシャンリンクとか)が、またアメリカ側からAT&Tの船が、それぞれの陸側から海底ケーブルを敷設し、太平洋上のいずれかの船の上で、最後の結合処理が行われていました。

ケーブルの切断などがあると、太平洋を横断する長い、長いケーブルの、一体どこが切断されたのか箇所の特定が必要になるわけですが、そんな時には、アクアエクスプローラー(まだあるのね!)という、オレンジ色の自走式海底ロボットが、敷設ケーブルに沿って自走し、信号によって箇所を特定した上で、船でかけつけて修復していたはず。

小ネタとしては、このオレンジ色のシャトルっぽい形をしたロボットちゃんが、中国だかの漁船の網に引っかかったうえ、怪しいということで拿捕されてしまって、誰かが迎えに行かなくちゃいけないということがあったな。。あの時ってリリース打ったっけなぁ〜。忘れた。

海底ケーブル損傷の原因としては、トロール漁法による底引き網なんかが筆頭なんだけど、サメにかまれて、ということもなきにしもあらずのようで、当時の広報室の広報資料キャビネットには、「シャークバイト実験」なる写真も保存されていました。カーッとキバむき出しのサメが、海底ケーブルをかじってるようなそんなヘンテコな写真です。まぁ、もちろん、そんなちょっとやそっとじゃ、光ファイバーがむき出しになってしまわないよう、保護材が頑丈にまかれているんだけどさ。

国際通信を扱うということで、海外赴任やトレイニーとしての海外転勤も日常茶飯事で、インターナショナルでグローバルなことをやっている洗練された大企業というイメージの会社だったけど、海底線部(今はもうないかも)や、ケーブルシップ(だっけ?)というような子会社が、こうした海底ケーブルの敷設や、船の管理を行っていたということもあって、会社には船乗りとかがいた、ということも、今考えると面白い会社だったなーと。

もちろん、船自体の操縦であるとか船員というのは、外国籍のそれこそTHE船乗り、みたいな人が多かったと記憶しているので、会社に船乗りがいたといっても、船乗りとして入社ということじゃなく、エンジニアが作業するために結果的に船に乗る、という感じなんだけど、敷設作業に出ると何ヶ月も船上にいることになるので(まぁ、パイレーツオブカリビアンのように、各港に寄ってはホニャララとか言う噂もあり)、社内の合コンとかでは、こういう系の人と付き合うと、幸せになれない、的なゴシップもあったような・・・。

そんなことを思い出した、海底ケーブルの記事・・・。

Share

Leave a Reply

CAPTCHA