IA Summit 2014
2014年3月28〜30日までサンディエゴで開催された、情報アーキテクチャのグローバルカンファレンス、IA Summitに今年も参加してきた。
サンディエゴという街に行くのは10代だか二十歳の頃以来。天気もよくいいところだったなー。
IA Summitはパラレルセッションなので、行ったメンバーで分散して参加するようにしている。私はあまりemerging topicやtechnical session的なものにでないので、何かフレームワークとかテクニックみたいなものが印象に残るということはほとんどない。その代わりに、もっと横断的に、こういうキーワードがあちこちのセッションで聞かれたなー、とか、去年、一昨年と比べるとムードがこう違うなー、というようなとても曖昧な何かを感じ取って帰ってくることが多い。
ま、普段私がクライアントプロジェクトを持っていないから、というのが一番大きいとは思うけれど。
4月下旬にIA Cocktail Hourとして開催し、また、例年のRedux的な形式のものは、先週リクルートライフスタイルとコンセントの2社でクローズドに開催した。で、ちょっと落ち着いたので、そこで話したようなことを、一応ブログにも掲載しておく。
個人的トピック目次:
A. 持っている知識やスキルをどう他の分野に応用できるか
B. ノンバーバル、ボディランゲージの重要性
C. HIRINGがとても活発。慢性的なUXデザイナー、本来的な意味のIAが不足
D. 去年からの流れでユニコーンも
E. IAコミュニティの結束が一巡して強まっている
F. IA/UXをどう売るか
G. 開催地は参加動機に大きく影響する
では、1個ずつ詳細。
A. 持っている知識やスキルをどう他の分野に応用できるか (他の分野を自分のものとしていくために、今のスキルを使える)
⇒ Becoming A Change Agent by Carrie Hane Dennison
※Carrieは一昨年のIA Summitでコーヒーブレイクに転職活動をしていた
(詳細は後述)
⇒ The UX of Sales by Erin Malone and James Young
IA/UXな人達はセールスが苦手。セールスパーソンに学んでみたら、彼らがやってることはすでに自分達がやってることだった。
(詳細は後述)
B. ノンバーバル、ボディランゲージの重要性
⇒ Becoming A Change Agent by Carrie Hane Dennison
実際に面と向かってやった方が表情などノンバーバルなものから得られる情報が多い
⇒ The Architecture of Advocacy by Christina Wodke
デザイナーはキングと言われながら、なぜリッチじゃないのか?
隣に座っている人とチームを組んで、ワークをやった
- 何にProud ofなのか、”I”をつかってお互い紹介するワーク。
- 何にスーパーパワーがあるのか言うワーク。自分の強みをきちんと把握する練習。
※自分たちの価値が何なのかといったことをちゃんと言語化すること。自分たちのボディランゲージや振る舞いは自分達がどんな人たちなのかを伝える手段である。
⇒ Body Language – The Hidden Language by Brad Nunnally
IA/UXは人間、ユーザーのことを扱っているのだから、基本的なボディランゲージ、シグナルを読めることは大切。
(詳細後述)
⇒ The UX of Sales by Erin Malone and James Young
Discoveryのquestionのフェーズではアイコンタクトを最も重視する。ラップトップを置くことで視界を遮ることがあってはならない。
C. HIRINGがとても活発。慢性的なUXデザイナー、本来的な意味のIAが不足
1. Google、Etsy、Targetといった誰もが知る企業のJobボードへの掲示が多い
⇒ キーノートは元Google、YahooでヨガインストラクターのIrene Au。
⇒ Etsy’s Production Design Principles by Cap Watkins
彼らのデザインプロセスを紹介するものでありつつ、文化も伝わるプレゼンで転職したくなるようなもの
2. Mentoringに関する話も多い
⇒ Making More UX Designers: Practical UX Apprenticeship by Fred Beecher
(詳細は後述)
3. キャリアパス的話も
⇒ The New Black: Running the Small Agency by Hans Krueger, Jared Spool, Chris Baum, Andy Budd and Amy Cueva
心理学を知っていたことがラッキーだった、プロフィットよりキャッシュフローが大事、周りで何が起きているかに気を配るのが大事。
※ 大した話をしてるわけじゃないけどこういう議論自体が日本では存在していないように見える。禁酒会みたいなああいうお話会の文化がないから?
⇒ Things I’ve learned from leading UX Designers
マネージャーになるのは突然。でもマニュアルはない。
何をやったらいいのか?まず、チームチャーターを作ろう。
なぜならば、リーダーシップとはあなた自身がどうのということではなく、あなたのチームに関することであるので。
Team Charter:チーム設立趣意書的な(?)
– Team Purpose:このチームは何をするのか、何が得意なのか、何で知られるべきか
– Team Commitment to Each Other:どんな風に一緒に働きたいか、お互いに何を期待するか
– Focus Area & Expertise:どんなタイプの仕事をやるのか、何の専門性がいるか
– Areas of Growth / Improvement:何にもっと経験が必要で、何をもって成長を感じ取るか
– Perception of the team by others:他者からそのチームはどう認知されたいか、その認知をどう作るのか
critique buddiesを持つことが大事
・buddy MTGを実施
・Critique Leaderと週に1度30分ずつ
critique & tweak
D. 去年からの流れでユニコーンも
⇒ We’re Not Worthy: Understanding and Escaping Imposter Syndrome by Amy Silvers and Lori Widelitz-Cavallucci
ISとは何も達成していないと感じたり詐欺師だと感じてしまうこと。
本当のimposterは自分をimposterと認識できていない人
(詳細後述)
⇒ Closing Plenary by Peter Morville
世の中はgeneralistを必要としている
E. IAコミュニティの結束が一巡して強まっている
- 自分たちが自分たちでいられる場所(UXとかIxDとのコミュニティの棲み分け的な部分)
- 弱点も含めて悩みなどを共有できる場として
- karaoke nightやyoga, runningといったアクティビティの充実
⇒ We’re Not Worthy: Understanding and Escaping Imposter Syndrome by Amy Silvers and Lori Widelitz-Cavallucci
⇒ Closing Plenary by Peter Morville
IAを誰も理解してくれない。自分たち自身さえもIAがなんだか分からない。でもOK。それが我々が集う理由だから。
Third, clothing is a medium of communication, and right now my shorts are saying “Hey y’all, let’s be friends and relax.”
F. IA/UXをどう売るか
⇒ The Architecture of Advocacy by Christina Wodke
⇒ The UX of Sales by Erin Malone and James Young
G. 開催地は参加動機に大きく影響する
ランチやコーヒーブレイク時に何人かにインタビュー
- 今回はIA Summitに来るの何回目?
- IA?UX?それ以外の職種?
- 今回どうして来ようと思ったの?
IAS常連でない人に声をかけたので、その多くは1st-timer。
- フランクフルト出身で現在はNYでUXDをしてる人
- ワシントンD.C.のEightshapesの人
- シカゴのUIデザイナー
- ミネアポリスのMKTGリード(以前はコミュニケーションMgr)
などなど。
なぜ今回来たのか、の回答で最も多かったのは「サンディエゴだから!」
たまたま声をかけた人の多くが、特に中西部以東の人だったので、「雪から逃れられる西海岸だから!」みたいなことを言っていた。なかには、IA Summitのついでに早めに西海岸に来て、前日までモハベ砂漠でキャンプをしていた、という人も!
【関連リンク】
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