車のないロバの島Hydra Island(イドラ島)へ
Franchthi Caveに行った後は、Hydra Islandへ。
英語では「ハイドラアイランド」と発音するのでピンと来てなかったけど、よく聞く「イドラ島」のことであった。
行ってみたら、アテネからの「エーゲ海1日クルーズ」にも含まれる、ギリシャに来たら外せない島の一つといった感じで、実際、日本人の特に女の子だったら大好きな感じの島だったので、ご紹介。
Franchthi Caveを出て車を走らせること30-40分。
どこを走っても道路の両脇には常にオリーブやザクロの木が見える。
向かった先はWater Taxi乗り場。
Water Taxiは公共交通機関みたいな感じで、5ユーロほどで乗れる乗り合いボートなんだけど、AMANの手配で行ったからか、私達がボート乗り場についた時には専用ボートが待っていた。「もう出港するから、早く早く!」とお腹がでっぷり出た白髪のおじさんに急かされながらボートへ乗り込む。そして乗船するやいなや出港。
えーと、島行った後、車との待ち合わせが何時とか、そういうの何も知らないんだけどいいのだろうか…。
ボートのスピードはかなり早い。
そして、この日は風もなく波も高くなかったけど、時々スピードにのって船なのに空飛んでるみたいになって、ガッツンガッツンと波に着地。荒いな、おじさん。
しかし、ボートで10分と聞いてたけど、7分ほどで船着き場に到着。早い!
山の斜面に沿って建つ建物がギリシャっぽい。
エーゲ海1日クルーズと思われる大きな船もいた。
なんといっても、上陸すると真っ先に目に飛び込んでくるのは、ロバの御一行。
港にズラーッと並んでいる。
痛いほどの日差しのなか、文句ひとつ言わずじーっとしてる。なんて謙虚なんだw
しかしこのロバ、観光用の客引きなどではなかった。
イドラ島では自動車やバイクの使用が法律で禁止されてるらしく、今でもロバが公共交通機関として大活躍。港にたくさんスタンバイしてるのは、リアルに旅行者の荷物を運ぶため。
ほかにも、こんなリアカー的なものもよく見かける。
これは人力で荷物を運ぶため。
橋やら階段だらけの路地が多いヴェネツィアもそんなだったよね?
港の目の前は作家物の可愛いジュエリーやさんやみやげ物やさん、オープンエアのカフェが並んでいて、ちょっと路地を入るとサボテンや花が咲いていて街をカラフルにしている。
太陽が照りつけて気温より圧倒的に暑く感じられるけど、カフェのシェードの下に入れば、やはり気温なりの涼しさ。
この島は何か遺跡めぐりというより、小さく入り組んだ路地にひしめく、金銀細工の店やデザインの洗練されたモダンな雑貨屋さん巡りなどしつつ、カフェでのんびりしたりするのが良さそう。
私達もイドラ島にはランチしにやってきた。
港の端にある、Omilos Restaurantというお店。
Omilos
http://www.hydradirect.com/wine-dine-party/omilos/
海に突き出す感じで景色がいいからおすすめということで、Amanzoeに予約してもらっていた。
私達がお店に入った時には空いていたけど、ほどなく満席になった。
案内されたテラス席からは、ちょっとした入江で海遊びをしている家族なんかが見える。飛び込んだりして楽しそう。
ギリシャ料理(シーフード)を楽しめる店ということで、3品ほど注文。
セロリ、フェンネルルート、ギリシャヨーグルト、スモークトラウトのサラダ。
ギリシャヨーグルトは酸味が少なめでドレッシングにしてもそんなに癖がなくて食べやすいし、スモークトラウトとも合う。
シーフードのリゾット。量がほどよい。味も米の硬さもバッチリ。
タコのグリル、favaとほうれん草添え。タコの下にしいてあるのがfavaか。甘みがあって美味しいマメペーストだった。
ここは美味しい!ギリシャのワインも美味しかった。
食べ終わった後はまたもと来た道を戻るようにしながら、いろんなお店に冷やかしで入ってみる。そのうちの一つのジュエリー屋のおじさんは面白い。
その人のおじさんという人は、レバノンの日本大使館で働いていた人だとか、その人だったか別の親戚だったかは、アテネで最初の日本料理屋(Michiko)を開いた人だとか(そしてそのMichikoはもうなくなって、風林火山という店になっているとか)、その人のデザインするジュエリーがハリウッドで人気で、ケイト・モスだとか、テイラー・スウィフトだとか、ブラッド・ピットだとか、とにかくいろんな人がつけているのだそうだ。けっこうセレブリティもイドラ島を訪れて、この彼の店に買いに来るのだそう。あと、ヴィラを持ってるからいつでも貸すよ、とのこと。気のいいおっちゃんだ。いつまでも、自慢話(?)が終わらないタイプの人ww
「同じデザインは2つと作らないんだ。人はみんなそれぞれ個性的で一人ひとり違うように、その人だけの違ったデザインであるべきだからな。」と演説してました。
Mata’s Gold Jewellery
(Webサイトはないと言っていた)
細かい路地も少し歩いてみたけど、とにかく全体的にジュエリー屋さんが多い。10ユーロ前後の手頃なものからあるし、普段使いできるモダンな感じのも多いので、お土産探しは楽しいかもね。
イドラ島だけでなくギリシャのほかの地域でも見られるけど、目玉をモチーフにした「ナザール・ボンジュ」という魔除けのお守りをよくみかける。チープなものからファインジュエリーまで、とにかくどこに行っても目玉!
あと蛇のモチーフもよく見かける。
死者の世界(地下)にも生きている人の世界(地上)の両方にも生息している蛇は、あちらの世界とこちらの世界のコミュニケーションができる神聖なものとして考えられているので、ラッキーモチーフ。
街歩きした後は、お迎えのWater Taxiを手配してる間、カフェでお茶。
この島に限らないんだけど、ギリシャは猫と犬が多い。野良の。
でも決して汚らしくて危なそうという感じではなく、みんな人間になついているし、野良でもワクチンとか接種してるんだそう。カフェにいても、「何かください、お願いします!」みたいな感じで、テーブル横にピタリとついて、気をつけの姿勢をしている。
カフェではハーブティーを注文した。
ギリシャはハーブティーもよく飲まれる。後日、こちらに住んでいる人に聞いた話では、ギリシャ人(赤ちゃん)にとっての初めての飲み物はカモミールティーなのだそうだ。その後に、母乳やミルクに移行するらしい。それぐらいハーブはとても身近な様子。
そうこうしていたら、自動車が禁止されているはずの島で救急車が目の前を通り過ぎる。
緊急車両は車でもOKなのね、きっと。
その後もお茶を飲みながら港を眺めていると、スーツケースを持った旅行者がロバ使い(?)と話をしていて、そのうち、スーツケースを積んだロバと一緒に路地に消えていった。ホテルへの移動かな?
アテネからのエーゲ海一日クルーズの船が港に停泊している間は島が賑やか。どのカフェもみやげもの屋も混雑してる。でも、ひとたびそれらの船が港を出ると、全体的に落ち着いた雰囲気になる。私達はたしか16:30頃までいて、その後Water Taxiに乗り込んだ。
私達は個人的にペロポネソス半島からこの島にやってきたけど、アテネからのエーゲ海一日クルーズでは、イドラ島のほか、エギナ島、ポロス島あたりを巡るらしい。後日ギリシャのガイドさんから聞いた話では、「イドラ島が一番海もきれいなようだし、街歩きも楽しい街だから、イドラ島に行っておけば、ほかの2つの島は行かなくてオッケ」とのこと。
ちなみに、イドラ島は、歴史的には1204年〜1566年にはヴェネツィア、1566年〜1821年にはオスマン帝国の配下にあったそうで、17世紀まで海洋・商業開発など行われていなかったらしい。