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Zurich Bahnhofstrasse and McDonald’s(チューリッヒのバーンホフ通りとマクドナルド)

Posted in IA / UX / HCD / UI, Zurich, カフェ・レストラン on 8月 31st, 2011 by chibirashka – Be the first to comment

7月16日は午後からGraylineのチューリッヒ市内観光ツアーに申し込んでいたので、午前はちょっとだけぶらぶらすることにした。

遅めの午前にホテルを出てみたら、目の前のビュルクリ広場で蚤の市をやっていたので、その中を通って、アンティークやら単に古いだけのガラクタにしか見えないものやらが売られている店をチラ見して歩いた。

flea market at Burkliplatz

flea-market2

バーンホフストラッセより一本リマト川沿いの道を中央駅方向に歩いていたのでひと通りはそれほどなく、この日はとても天気がよくて日差しが強かったけど、空気はひんやりとしていたので、ノースリーブでも長袖でもどちらでもちょうどいいぐらいの、とても気持ちのよい散歩だった。

途中でバーンホフストラッセに出てからは、週末でショッピングで賑わう様子を見ながら歩いた。

bahnhofstrasse

チューリッヒでは高級時計店やブランドショップを中心に、アラブ系の人をたくさん見たけど、黒人はほとんど見かけなかった気がする。

人に慣れているのか、道端の鳩とか全然逃げない。

そして、たまたま見なかっただけなのか分からないけど、ミュンヘンでもチューリッヒでも、ファーストファッションのH&MやESPRITはあちこちで見かけるのに、GAPはないようだった。

St. Gotthardホテル近くのカフェでちょっとお茶して、それから1本裏の道に入ってみると、アウトドアブランドMAMMUTのお店を発見。

今回のチューリッヒでは、滞在3日目にアルプス氷河ツアーを入れていたので、MILLETのアウトドアジャケット(ソフトシェル)を夫とお揃いで東京で買って持っていった。そして、ベルヒテスガーデンとかアルプス以外にも山の方にも行く予定もあったので、万が一の寒さってことも考え、私はインナーダウンも持ってきていたんだけど、夫の服の準備がだいぶ甘く、しかも今回の旅行は、思いの外寒い日が多かったので、夫の服が心配だなと思っていた。

市内観光の集合時間まで時間もあったので、MAMMUTストアに入って、夫はフリースっぽいトップスを買った。

お店を出た後、中央駅前を通って、バーンホフ橋手前にあるマクドナルドでランチを取ることにした。同じ駅でも曇った日と晴れた日とでは全く印象が違って見える!

zurich-hauptbahnhof

さて、マックでは、ごくごく普通のハンバーガーとドリンクとポテトのセットを注文。

スイスのマクドナルド

しかし、これがすごく高い!なんと11.50スイスフラン。2人分なので23スイスフラン。マックチキンナゲットとかサラダとかオプションをつけたわけでもないのに、マックで2,000円超えるって高い!

これだけ高いと、子どもとか貧乏旅行者とかが迂闊に入れない感じなのか、身なりのきれいな人が多いし、店内もとても整っている。トイレなんて、今まで入ったどんなトイレよりキレイ!と言っていいぐらい。ダイソンのハンドドライヤーはもちろん、ものすごい上品でいい香りまで!中央駅の有料トイレ(1〜2スイスフラン)よりも断然きれいなので、オススメ。

ちなみにここのマックは2Fのトイレは普通に入れるけど、1Fのトイレは、マックのお客さん以外を排除するためか、購入レシートにかかれているPINコードを入れないと入れないようになっていたので注意。

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ユナイテッド航空がiPadをフライトバッグ代わりに

Posted in IA / UX / HCD / UI, フライト・エアライン・空港 on 8月 24th, 2011 by chibirashka – Be the first to comment

こないだのヨーロッパ旅行日記(?)がまだ書き終わってないけど、気になったことを先にポスト。

United Airlines Deploying 11,000 iPads to Pilots as Electronic Flight Bags
(ユナイテッド航空が電子版フライトバッグとしてパイロットに11,000台のiPadを配備)
http://topicfire.com/share/United-Airlines-Deploying-11-000-iPads-to-Pilots-as-Electronic-Flight-Bags-18119902.html

何が驚きって、iPadが導入されることでもなく、配備されるiPadの数でもなく、元々の、パイロットのフライトバッグがそんなに重かったのか!ということ。

iPadが1.5lB(ポンド)以下なのに対し、フライトバッグはなんと38lB!!

オペレーションマニュアルやら、ナビゲーションチャートやら、チェックリストやら、平均で12,000ページにも及ぶ資料があるってすごい!

それだけの重量があったら、確かにジェット燃料の節約にも、紙の原料の木材の保護にも役立ちそうだ。

何より、検索性とか考えてもエレクトリックデバイスの方がむいてるような…。

航空機は、ちょっとボタン間違えたからといって「あ、間違えちゃった」で済まされる家電なんかと違うので、想定外のことが起きた時にその現象に合わせた処理方法を適切に探せるかどうかとか、何はどの手順より優先させて掲出するか、みたいな、ドキュメント内のナビゲーションが重要に違いない。

ナショジオの「メーデー!:航空機事故の真実と真相」とかでたまにマニュアルチックなものがちらっと映ったりするけれど、テクニカルコミュニケーション観点で、ぜひそのマニュアルを見てみたい。

ファーストクラスとか乗ると、機長が挨拶に来てくれたりするんだけど、次回ファーストクラスに乗ることがあったら、このEFB(iPad)を見せてってお願いしたら見せてもらえるんだろうか。保安上の理由とか言って、やっぱダメなんだろうなー。

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パリの地下鉄

Posted in IA / UX / HCD / UI, Paris on 6月 26th, 2011 by chibirashka – Be the first to comment

パリの地下鉄

パリは東京のように地下鉄が細かく走っているので、どこに行くにも便利、というようなことはガイドブックで読んでいたけれど、去年パリを訪れた時は一度も乗らずじまいだった。

まず、天気がよくて気持よかったし、見るもの全部が新しくて地上の建物や通りや人々や、全部を見たいと思って、オープンバスに乗ったり、タクシー乗ったり、ひたすら歩くことが多かったから。

もっとも、一番の理由は、夫による「海外の地下鉄なんて危険すぎるよ。危ないから絶対のっちゃ駄目だ!」というような強い拒否感。

もちろん、海外の地下鉄が必ずしも安全だと言い切れないというのは私も納得だし、例えばそれが、夜中や早朝だったら避けた方が無難だなとは思う。用心するに越したことない。でも、ガイドブックでも地下鉄を使うことが前提となっているというか、むしろ推奨されているぐらいだし、常識的に気を配っていれば大丈夫なんじゃない?と…。それに、海外の地下鉄の様子がどんなだか見たいし…。

それでも、夫はやはりかたくなに拒否していた。

でも、ルーブル美術館出た後、あまりの寒さに一度ホテルの戻ってもう少し暖かい格好に着替えよう、ということになった時、雨も降ってるから歩いて帰るには若干タルいし、タクシーってほどでもないし、でも寒いし…、というわけで、状況で押し切って、ブゥブゥ言う夫を連れて地下鉄に乗ってみた。

改札の切符通すところが、日本よりやや高めだとか、改札とか出口のドア(?)が通りにくいとか色々あるけど、ま、普通。東京で超複雑な地下鉄を乗りこなしてるんだから、別に全然違わない。行き先が横文字で書いてあることぐらい?

地下鉄降りる時に、自分でドアあけないといけないけど、「えー!どうやってあけるかわからん!」なんて思う余地もないほど、迷うこともなく開けられるし、日本みたいに「次は◯◯〜」なんて、駅名をアナウンスしてくれないけど、駅に到着すればでかでかと、タイルで駅名が書いてあるし、これは楽ちんだ。

車両は古いね。
パリの地下鉄の車両

ちなみに、去年パリに行く時に「きっと地下鉄乗りまくるだろうから…」と思って、3日間メトロやバス、国鉄、RER乗り放題になるParis Visiteなるものを買っていたのに、アンチ地下鉄の夫のため、結局使わないままになっていたので、今回一応それを持って行った。いよいよメトロデビューという段になって、やっとParis Visiteの出番がやってきたわけだけど、地下鉄に乗る度にチケットやカルネを買う必要もないし、普通の切符と同じ形状で、普通に改札を通せるので手間がない。

Paris Visite

地下鉄では、車両の中で、突然スピーカーにマイクつないで歌い出すおじさんがいたり、ヴァイオリンを弾きはじめる人がいたりと、なんか、フリーダムな感じなんだけど、ま、夫と二人で行動していたし、それなりには周りにも気をつけていたので、いろんな人に危ないよと忠告されていたスリに会うこともなく、怖いことは特になかった。

社内はこんな感じ。
パリの地下鉄車内

路線図というか駅名もちゃんと書いてます。
駅名表示がちゃんとある

ここで面白いのが、青いシールが貼ってあるとこが多分そうだけど、工事中のため停車しないという駅なんかもある。実際、乗り換えようと思っていた駅に止まらなかったということがあった。ま、でも、東京の地下鉄同様、あちこちでいろんな線に接続しているし、仮に途中で地下鉄降りたとしても、数駅分なら歩けるぐらいの距離なので、ちっとも困らないんだけど。

ガイドブックについてるやつでもいいし、ホテルのフロントとかでもらえるような地図に載ってるやつでもいいけど、路線図は何らかの形で持っておいた方が無難かな。

全体的に、地下鉄駅構内は暗いかなーと思うものの、震災後は東京でも、節電でけっこう暗かったりするから、それとあんまり変わらないと思う。

あ、そうだ。パリの地下鉄は、乗る時には改札通るけど、出る時には改札がないのね。でも、地下鉄の車両降りたら、手に切符を用意するようにしてしまう(東京だとPasmoというかケータイだけど)というのは、反射神経みたいになってるらしく、手に切符を用意したのに、「あーん、そうだ、改札ないんじゃん!」ってことが度々。

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Velib

Posted in IA / UX / HCD / UI, Paris on 6月 26th, 2011 by chibirashka – Be the first to comment

velib

使わなかったけど、これはレンタサイクルみたいなやつ。
Parisではそこここで見かける。乗ってるヒトもたくさんいる。
でも、ガイドさんによると、自転車は車道を自動車と同じように走らないといけなくて、しかも、このチャリは、けっこう車体が重く取り回しが大変とのことで、乗る時は気をつけてね、という話があった。

velibの画面

ま、レンタサイクルといえば、IA Summitでの2日目のサービスデザインのセッション(PANEL: Beyond Digital: What IAs Need to Know About Service Design)で例に上がってたやつ、という印象の方が強いけど。

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IA Summit 2011

Posted in IA / UX / HCD / UI, カンファレンス・勉強会・仕事 on 5月 3rd, 2011 by chibirashka – 1 Comment

デンバー出張の楽しいところだけを先に書いたけど、本題のIAサミット自体のことも書こう。

今年のIAサミットは3月30日〜4月3日まで開催された。3月30、31日はワークショップなどのセッション(カンファレンス料金とは別)、4月1日〜3日はカンファレンス。

私が参加したのは3日間のカンファレンス。

今年のIAサミットには19か国466名の参加があったらしい。内訳は、

  1. US本国(414)
  2. カナダ(11)
  3. UK(11)
  4. 日本(5)
  5. デンマーク(4)
  6. メキシコ、オーストラリア(各3)
  7. スウェーデン、韓国、ロシア(各2)
  8. ドイツ、ベルギー、ニュージーランド、ノルウェー、パナマ、ペルー、サウジアラビア、スロベニア、オランダ(各1)

だそう。
でも、日本人は6人いたはずだから、数があってないのが気になるんだけど…。

4つのテーマでパラレル進行するので、3日間の約50のセッションが展開された。

私は19のセッションに参加。
1日ずつ各セッションのメモを記事にしておこうかと思う。

  1. IA Summit 2011: DAY1
  2. IA Summit 2011: DAY2
  3. IA Summit 2011: DAY3

ちなみに、4月22日にクリエイティブスペース「amu」でIA Summit 2011 Redux in Tokyoを開催し、参加報告もした。Ustream中継し、アーカイブされたものがこちら。

※受講したセッションの全部を紹介したわけではない

その時のプレゼンテーション資料の私が作った部分だけを抜き出したのが以下。

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IA Summit 2011: DAY3

Posted in IA / UX / HCD / UI, カンファレンス・勉強会・仕事 on 5月 3rd, 2011 by chibirashka – Be the first to comment

Solving World Problems with UX

by Olga Howard

UXで世界の問題を解決する、という壮大なテーマのセッション。

イラク建国の立役者的役割を果たしたと言われている、アラブの冒険家(登山家でもあり、スパイでもある)Gertrude Bellという女性を例にとって、彼女がUXメソッドを作ってどのようにアラブの国々を形作ったのかについて振り返り、それをどのように現代のworld problemsに当てはめられるかについて考えてみる、というキャッチーな説明文が載っていたので、受講してみたら、だいぶがっかりなセッション。

UX Common Language(UX共通言語)にはいろいろある。マーケット分析や競合分析、タクソノミー、ユーザビリティ、バリュープロポジションとかIAとか。

これのどれを使うのかはケースごとに異なる。UX Common LanguageをUX以外の外の世界にも使え。

Gertrudeは、世界の問題を解決するスパイになるためUXメソッドを使った。例えばTask Analysis。まずは言語を学び、アラブの国々を旅行し、部族と一緒に暮らして、その土地の人にとって何が価値とされているかについて学んだ。現状どうなのかと、どうあるべきかについて理解するため。

その後、Olgaのプロジェクトの紹介。Substitute teacher(代理教師)になるためのステップ(タスク)を分解してフローにした例(?)。この事例が結局どういう話なのか、何をレッスンとして学べるのか、さっぱり分からなかった。

ヒアリングやインタビューにより漠然とした問題をブレークダウンしてステップに分けて考えよ、ってこと?

質疑応答でも「結局何がポイントか分からないんだけど」「観点は?」という質問が相次いでいたので、私の英語力のせいというわけでもなさそうだ。

セッションのあと、Stacyやもう1-2人とお茶しながらこのセッションについて聞いてみたけど、みんな口をそろえて意味不明と言っていたので、そういうことで。

Content Strategy on a Shoestring Budget

by Carrie Hane Dennison

限られた予算内でもコンテンツストラテジーは実践できるよ、という話。

コンテンツストラテジーとは、コンテンツに関するプロセスとプランを持つことである。

HouseをWebsiteのメタファーとして紹介。

  • Furniture=Content
  • Paint/Decor=Design
  • Blueprint=Navigation System

空っぽのWebsiteに何を入れる?新品の家具?使い古した家具?予算が限られてる時にはリソースをどこに使うかプライオリティをつけて次のように考えてみよう。

  • よく見られる部屋には:best furniture
  • 機能的な部屋には:new, but inexpensive furniture
  • 自分しか見ない部屋には:keep your old furniture

コンテンツストラテジーには色んな要素(納品物)があるが、メリハリをつけることが大事。

コストを抑える方法の例として

  • コンテンツインベントリーやストラテジードキュメントを省略する
  • ページスペックシートは、いくつかのテンプレとサンプルを作り、あとはクライアントにcompleteしてもらう

組織によって、時間をセーブしたいのか、コストをセーブしたいのか異なるので、何を節約すべきかROIを理解せよ。

大事なことは、やはりサイロにならずにコラボして動き理解しあうこと。

質疑応答では、誰がコンテンツストラテジストになれるか(どういう素養が必要か)といった質問があった。バックグラウンドとしてはcommunicationやeditingがよさそう。But anybody those who can see big picture and also details(大きい絵を描く=全体像を描くことができつつ、ディテールも見れる人)、といっていたので、ミクロとマクロ両方で物事を見れるメタな人ってことか。

ROUNDTABLE: Toward an Information Architecture Curriculum and Canon

by Dan Klyn

round table round table round table

IAの学生でもあり先生でもあり実践者でもあるDanのラウンドテーブル(ワークショップ・ディスカッション)セッション。

IA教育のカリキュラムを考えるのに、みんなの知恵を貸しておくれ!といった内容で、IA learner(学生)、IA teacher(先生)、IA consumer(消費者=採用担当とか講師を使う人とか)の3グループに分かれてワークショップを行った。

私はIA consumerのチームへ。私のチームでは、USCのWebsiteのIA(UCLAでIAの先生もやっている)をやっているLynnがファシリテーターとなってワークを進めた。

まず1つめは、それぞれの立場で、IAをどのように見ているか(考えているか)などを洗い出すワーク。

2つめは、1つめのワークに基づき、それぞれ理想的なIAカリキュラムについてセールスピッチ(Elevator Pitch Sentence Structure)を完成させるワーク。

FOR (the IA leaner) WHO HAS (customer needs) the ideal IA curriculum IS A (market category) THAT (one key benefit) UNLIKE (competition), THE PRODUCT (unique differentiation).

それぞれの立場で作って、最後にチームごとにプレゼンテーション。すると、学生や先生達からは「consumerチームのセールスピッチに驚いた。専門性が大事だと思ったら、balanceが大事と言っているから」というように、ギャップが浮き彫りになったりもした。

ちなみに、私のチームで作ったセールスピッチは

For the (Consumer of IAs) who has the need for people who (hit the ground running and keep running) the ideal IA curriculum is (a broad approach to current practical and theoretical learning) that unlike (micro certifications) the product (goes beyond the core competencies. )

On ‘Shrink It and Pink It’: Designing Experiences for Women

by Jessica Ivins

design for women

女性向けデザインに関するステレオタイプと本来あるべき姿についての話で、女性向けだからとピンクや小さくする前に考えよ、という話。

なぜ、女性向けのデザインについて配慮する必要があるかというと、

  1. Eコマースの50%以上は女性が占めている(US)(アメリカでは消費購買の80%について女性が実際行なっている・または影響を与えている)
  2. 自分以外のもの(家族のもの)を買う
  3. SNSをよく利用している

女性に関するmyths(神話、伝説)やステレオタイプがたくさんある。例えば…

「女性は男性と比べてゲームをあまりやらないという伝説」
⇒「実際には、カジュアルゲームユーザーの75%は女性」

まずは先入観を捨てる必要がある。

いいデザインの例として、

  1. Visible Design(明らかに女性向け-あるいは男性向け-誰向けのデザインであるかが明快なデザイン)
    Visibleの例としてGilletteのVenus(女性向けシェーバー)
  2. Transparent Design(積極的には、女性向け・男性向けと言わないデザイン)
    Transparentの例として、FlipというカムコーダーとESPN。
    Transparentの場合、結果的にどちらのジェンダーにもアピールできることが多い。

ダメなデザインの例として、

  • ビデオデッキ
    イエール大学の調査では、男性のタスク達成率が68%なのに対して、女性は16%。女性は男性ほど、製品を征服したい欲求がない。

女性向けデザインのガイドライン

  1. Emphasize benefits over features or specs:Wiiの例
  2. Consider the full experience:ブランドとの関係。sony styleリアル店舗の例。
  3. Identify a spot on the spectrum:フェミニンとそうでないもののスペクトラムのどこに位置するのか

成功例として、Online datingサイト”Herway”とファイナンシャルサービスの”LEARNVEST”

Closing Plenary

by Cennydd Bowles

IA/UXの今後の方向を指し示していくような話。

UXはメインストリームになり一般にも認知されてきている。一方、一般化していくことでIA、デザインプリンシプルやコーディングスキルなど、必要な前提知識や基礎が欠落したUXを名乗る人たちも増えてしまっている。

そうした現状に対して、今後どうなっていくか、どんな視点が必要か、といった話。キーワードを挙げて、それに補足する形で進行。
Mainstream/ Public Awareness/ Catalysts of Change/ Trouble Ahead/ Pollution/ Backlash/ Factions/ Stagnation/ Global Outlook/ The Way Forward/ Labelism/ Focus on Delivery/ Consider Ethics/ Question Value/ Gaining Influence/ Attempts to Date/ Design & Science/ A New Angle/ Obliquity/

◯The Golden Rule of UX = Create PErsonal Value

自分達をどうラベルを付けて呼ぼうと関係ない。

何を生み出し、どれだけのハッピネスを作れるかでUX業界をjudgeすべき。
Beyond Modernism/ The Changing World/ Subversive UX/ Leadership/ Know Our Limits/ What’s Next/ A Possible Future
来年のIAサミットはニューオーリンズにて3月21日〜25日に開催。

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IA Summit 2011: DAY2

Posted in IA / UX / HCD / UI, カンファレンス・勉強会・仕事 on 5月 3rd, 2011 by chibirashka – 1 Comment

Discussing Design: The Art of Critique

by Adam Connor, Aaron Irizarry

IGNエンターテイメント社のAaronとPad MowのシニアエクスペリエンスデザイナーのAdamによる、デザインクリティック(批評・評論)に関するセッション。

マーケター、ディベロッパーそれぞれに少しずつ異なるボキャブラリーを使っているので共通のボキャブラリーが必要。

クリティックとはプロダクトをより良くするためのasking & understandingである。誰かを批評するということではなく、プロダクトにフォーカスすることが大事。良いクリティックとは常に良い対話のことである。

◯具体的なクリティックセッションの持ち方について

  • そのデザインについて何が起きているかを良く知っている人をセッションに呼ぶ
  • どんな立場の人であれ同等に扱われるべき
  • 何が問題か明らかにするよりついソリューションを提案しがちだが、decision makingはデザイナーに任せる
  • クリティックは何度も繰り返す
  • クリティックを受ける人は、どうやってここまでたどり着いたかではなく、何を目指しているのかをアピールしセッション参加者と共有する

◯紹介されていたツールとテクニック

  • Six Thinking Hats:6つの色の違う帽子が思考モードのメタファとなり、黄色はポジティブとか、赤は情熱的で感情的とか、それぞれのモードで思考する方法
  • laddering:「なぜ」を繰り返すことでコアバリューに到達するインタビューのテクニック

I’m Not Just Making This Up: The Value of Thinking Time in Experience Design

by Tim Caynes

UKのエクスペリエンスデザインエージェンシーでコンサルタントをしている人のセッション。すげー静かにしゃべる人で、なに言ってるかさっぱり分からない。

クライアントはプロトタイプやデザイン案など手にとって分かりやすいものをすぐ欲しがるものだが、一方、制作サイドはそれらを作るためには調査や分析の必要性を説く。つまりソリューションを提供する前にthinking timeが必要。考える部分(thinking time)についてお金が発生するということをクライアントに理解してもらうことは難しい、という問題意識に基づく話。

発見とコンセプトの間には、Ideation & Innovationがある。

プロジェクトにおける Thinking Timeを推測するための 変な計算式が登場。10年の経験の粋を集めて…というようなことを真顔で言ってたけど、多分ジョークと思われる。
ThinkingTime(tt) = days(uxd)/days(week) * crq

計算とかせずとももっとスマートな方法がある。それは、思考過程をビジュアライズすること。
More than 1 head > 1 head(1人で考えるより、みんなで考えた方が効果が大きい)

ワークショップをすることで、Thinking Timeをマキシマイズせよ。コラボレーションはThinking Timeをmultiplyするので、コスト減につながる。

これはまさにコンセントがクライアントプロジェクトで普段やっていることなので、納得度が高い話だった。

Toilet Paper and Information Sharing: Designing Compelling Information Ecosystem

by Justin Davis

toiletpaper

Thinking TimeのTimとは打ってかわり、超アメリカンイングリッシュで声がでかいJustinによる話。

トイレットペーパー買い忘れるとマジ、ブルーだよね、というような話からスタート。グロッセリーショップとはWebサイトやE-mail、買い物の時のチェックアウト(レジでの支払い)といった接点があるにも関わらず、なぜトイレットペーパーを書い忘れちゃうんだろう、トイレットペーパーを買い忘れないためのシステムとは…という題材で、インフォメーションエコシステムについて話された。

ユーザーのインタラクションは連続しており、タスクごとに関係している各デバイスは必要とする情報が異なり、またタイミング(時間)も大事ということを協調。

◯インフォメーションエコシステムについて

  • Information Ecosystemは他の人や会社といった実体とのインタラクションにより作られる生態系。
  • Information Ecosysytemの中にInteraction Ecologyがある。
    このInteraction Ecologyとは「週ごとの食料調達のためのショッピング」といった1つのストーリーを支えるもの。
  • Interaction Ecologyの中に複数のInteractionがある。
    このInteractionとは、food needs audit(何の食料が必要かのチェック)やlistmaking(買い物リスト作成)、shopping(買い物)といった行動そのもの
  • Interactionの中にDeviceがある。
    このDeviceとは、携帯、PC、POSなど。
  • Deviceの中に複数のDataがある。
    このDataとは、例えば食品アイテム、買い物客IDとか、時間や日付、場所や支払い情報など。

例えばfood needs auditを例に取ると、まず情報を集め、買い物リストを作成し、車運転して店にいき、商品選んで、チェックアウトする、というように複数のインタラクションが連続して起きる。

そのため、ユーザーの一連のインタラクションをホリスティックなモデルとしてとらえ、各インタラクション間をデータがどのように移動するのか、といったことに注意することで、よりリッチなexperienceを作れる。

つまり、各インタラクションが発生する場所(家、仕事場)、デバイス(PC、モバイル)、時間がキーになる。

具体的には、「POSが買い物リストを認識してたらどんなことが出来るだろうか」「ユーザーがいつスーパーにいるかを携帯が知っていたらどんなアラートが出せるだろうか」といったように、どのデバイスが、どんな情報を、どのように把握していれば、何を起こせるか、といった検討をするといいよ、ということ。

ちなみに、トイレットペーパーを買い忘れさせないシステムを構築するための3つのポイントとしては。

  • buying trend(どんな頻度で買っているか)
  • shopping trend(週のいつ買っているか)
  • Email borrows data from POS(どんなアイテムを買っているか、顧客IDとヒモづいて持っているなら、リンクさせて活用する)

わりと聞きやすいセッションだったけど、帰国したらすっかり忘れてるところもあり、そんな矢先(?)にたまたまスピーカーのJustinからTwitterでフォローされたので、それをきっかけに、理解を深めるべくメールとかで色々聞いて教えてもらっちゃった。お得。

PANEL: Beyond Digital: What IAs Need to Know About Service Design

by Jess McMullin, Samantha Starmer, Andrea Resmini, Priyanka Kakar

「サービスデザインについてIAが知っておくべきこと」というタイトルで、大きく3つの事例が紹介された。

Jessによるオープニングトークでは、「UX」と「Service Design」という言葉の出現について。「UX」という言葉は1908年(100年以上前)には、マーケティングの差別感のために出現。「Service Design」はそれに比べると新しい(1980年代)。その後、Service DesignについてTheaterをメタファーの紹介。

  • Channel=コールセンターやチラシ
  • Backstage=retail storeのストックルーム=オーサリングコンテンツとか
  • Support=サーバーやpaymentプロセスとか

◯事例1
PriyankaによるVanguard社の
死亡時の保険金関連のサービスにおいて。

人間の感情に配慮したデザインが必要な顕著な例。サービスを受けるためには遺族側が情報提供すべきだが、decision makingすべき人は最もどん底にある人であるケースが多い。

単なるfinancial serviceの提供ではなくそれ以上が求められる。

また、ユーザーの感情は変わりゆくのでホリスティック(総体的)なexperience mapが必要。

例えば、死亡証明書を提出させる変わりに、社会保障情報と連携することで、certificate of deathを送るようにし、遺族側からあれこれ情報を出させずに最低限のやりとりで済ませるような配慮をしたり。

また、人と人との信頼に基づくものであるので、単なるチェックリストにとどまらない、従業員トレーニングを施したり。
◯事例2:
SamanthaによるREI(アウトドア用品のECやretail shop)の例。

REI sells a lifestyle. Lifestyle is made of experience。そのためREIが提供するサービスはexperienceをサポートするものであるようにしている。カヤックを教えるイベント、プロダクト情報だけでなくどうやってプロダクトを選んだらよいかのコンテンツなど。

店舗とオンラインショップの一貫性(プロダクトインフォページに、「カートに入れる」ボタンだけでなく「find in store」ボタンを配置するなど)。

やはりキモは、cross-team pollination(各セクションのチームがどんなことをしているか共有し、理解する)。terminology matters(どんな言葉が使われているのかを知り、共有するのも大事)。
◯事例3:
Andreaによるスウェーデンの交通システムの事例

増える旅行者(通勤)の増加とCO2削減という相反する目的達成のためのデザイン。車通勤者が週の1日だけチャリや歩きでの通勤にすれば目標達成は可能、ただし現実ではない。なので、公共交通システムを改善。ガバメントと起業家、デベロッパー間でデータをAPIを公開しあって、データをオープンにし、より良い道路、より良いサービス、より良いシステムを提供するようにし、シームレスなエクスペリエンスを体験できるようにした。例として自転車レンタル。バスや電車で移動してる間にケータイで、レンタル可能な自転車があるかどうかを確認できるといったサービスとか。
3つの事例に共通するポイントは、

  • holistic experience(総体的な体験)
  • シチュエーションにあったdeliverable(アウトプット)をつくるための柔軟性

The Journey to ‘Yes’

by Alla Zollers, Jeff Parks

けっこう一般論な話なので、そんなに印象に残っていないセッション。

Yesと言わせる(「君たちの会社に任せたよ!」と言わせるとか、ボスを納得させるとか)ための道のり、というタイトル。

「My boss is the problem」というアテンションゲッターからスタート。どんな風にproblemなのか会場からコメントを募る。「くそったれ」「支配的」「とにかく意味不明」などなどFワードに近い単語がバンバン飛び出すww…。

コミュニケーションの90%以上はノンバーバル(非言語的)であるので、E-mailとかで賛同を得ようとしてもそもそもが無理である。

人間はemotionalでsocialなcreatureである。誰もが価値があると思われたい。また、否定的な反応・反抗(Resistance)はエモーショナルなプロセスとして一般的なことであるので、いちいちシリアス(or personal)に受け止めなくて良い。

Closing: Beyond User Research

by Lou Rosenfeld

白クマ本のLouによる土曜日のクロージングの話。Silo(※)をやめて(とっぱらって)、ちゃんと共有していこうぜ、という話。
※家畜飼料貯蔵庫、ミサイル格納庫、他部門と連携を取らない自己中心的な仕事のやり方

Insightsはどこにあるのか
⇒User Research/query data/log from the call center/analytics apps like omniture/voice of the customer research/report from CRM app like Salesforce/research center/agency’s user mental model/agency’s brand architecture research/net promoter score

組織のゴールとユーザーのゴールを理解せよ。

サイロがそれぞれが独立するのではなく、お互いのデータから学べ、またお互いのストーリーを語れ、デザインよりよくするために解決せよ、お互いの仮説をテストせよ。

Challengeとして:Thinking with whole brain
⇒プラクティショナーはどうやって?

  • surf those silos(それぞれのサイロの人と話せ、出かけろ)
  • establish what’s common
  • brown bag it
  • map it

⇒決定者はどうやって?

  • Blue sky it
(どんなだか忘れた)
  • Refudiate it
(どんなだか忘れた)
  • Put them together
  • Win it(
insightsのサイロをintegrateできる会社は競合を出し抜ける)
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IA Summit 2011: DAY1

Posted in IA / UX / HCD / UI, カンファレンス・勉強会・仕事 on 5月 3rd, 2011 by chibirashka – 1 Comment

Keynote: Data: potential and pitfalls

by Nate Silver

統計学によりインサイトを明らかにする「スプレッドシートの魔術師」Nateによる基調講演。2008年の大統領選では統計学により、50州のうち49州について予想を的中させた人物。
データとは、生の素材であり、フィクションストーリーではない。
80/20の法則:8割のデータは割とたやすく手に入る。2割から差別化、競争力のある優位性が生まれる。
まずは信用度の高いデータを使え。数と質のマトリクス。

  1. High Quality×High Quantity ⇒ 最も理想的。でも現実にはほとんど起き得ない。
  2. High Quality×Low Quantity ⇒ 次に理想的。さらなる調査の強固な基礎となりえる。
  3. Low Quality×High Quantity ⇒ 3番目。
  4. Low Quality×Low Quantity ⇒ 使えない。

We Are All Content Strategists Now

by Karen McGrane

スピーカーは、以前、レーザーフィッシュにいたUXの人。現在は、School of Visual Artsでデザインマネジメントを教えたりもしている、カレン・マクグレーン。

綺麗にラッピングされているのに箱をあけてみたら空っぽというギフトボックスをメタファーに、IAの人達は、なにが問題かを特定し、プロセスを定義し、ダイアグラムを作るのも得意だが、コンテンツがない、ということを指摘。コンテンツについてもっと議論すべきではないか、という話。

  • 美しいラッピング=ビジュアルデザイン
  • どんな状況でプレゼントをあげるか、開ける時のエクスペリエンス=IA、UX
  • 箱の中身=コンテンツ

媒体がいろいろあるので、チームが同じ方向をむいてコンテンツを作って行くには強力なストラテジーが必要。コンテンツストラテジーは、IA(およびUX)、CMS(およびテクノロジー)、ソーシャルメディアマーケティング(およびマーケティング)のどれにも関係するエリアの話である。今日からできるコンテンツストラテジーとして、次の4つ。

1. Think Beyond the template(テンプレートにとらわれるな)
既存コンテンツの扱い方。 Webサイトが新しくなると、 同じコンテンツを使っているにも関わらず、がっかり度が高くなったりする。bestとworseのexampleコンテンツのプロトタイプを作れ。プロジェクトプランのタイムラインの中に、コンテンツについても入れよ。コンテンツ移行については早い段階からとりかかれ

2. Evaluate Content quality(コンテンツの質の評価)
ただ目録を作るのではなく、中身を精査せよ。ステークホルダーに対してのアプローチが適切であるような戦略を練ろ。持っているものと必要なもののギャップに関する分析を行え。コンテンツに対してもユーザビリティテストを行え。ゴミをいくら分類したとこでゴミである。なにがゴミで、なにがそうでないかを見極めろ

3. Plan for content creation(コンテンツ制作のプラン)
コンテンツについて考えるときには、全体のブランドメッセージについて考えよ。組織のパーソナリティがどうであるか。画像・ビデオなどについてのガイドライン、コンテンツのライフサイクル(どんなタイミングで更新され、編集され、削除されるか)について指示せよ。web、メール、ソーシャルなどさまざまなタイプのチャネルについてどのように扱うか指示せよ。

4. Don’t fear new roles(新しい役割について恐れるな)
UXなんちゃらとか、ホニャララデザイナーとか、名前がいろいろマッシュアップされている。役割や領域の量に圧倒されている? オーバーラップするところもあるし、そうでないところもある。 お互いにコラボレーションすれば良い。

Creating a Navigation System… for Your Career

by Shai Idelson

元ミリタリーにいたという異色の経歴を持つShaiによる、キャリア形成についての話。

ミリタリーにいた時、(中東に派兵されてた時だっけな)とても寒く、とても暗い夜中、次のミッションを待つ間、ほんとにやりたいことはこれなんだろうか?そんな風に思った…、みたいなところから話がスタート。

IAはナビゲーション作るの得意なんだから、自分のキャリアを考えるときにも、ナビゲーション設計せよ、というような話。

  • Understand where you are now.(今いる位置を知れ)
  • Decide where you want to go(どこに向かいたいのか決めろ)
  • Identify the gap, then plan to close it(ギャップを特定し、埋めろ)

今の仕事を最大限活用しつつも、いつが去り時か知り(会社の組織がダメな時とか、モチベーションを下げる要因があるような時)、次の仕事を探す(自分にとってのドリームカンパニーはどんな会社なのか、また、誰と/誰のために働きたいと思えるか)ように、ということを話していた。

Upping Your Game: Five Things Information Architects Need To Talk About More

by Leanna Gingras

IAはIA以外のトピックについてあまり話をしていないのではないかという懸念から行われたセッション。

例えば以下5つのトピックについてもっと見識を広めたらいいのではないかという提案。

  1. Statistics:”R in a nutshell”というオライリーの本を紹介。エクセルは使えないので代替として。訴えたいことを訴えるストーリーになってるように。
  2. Business Skill:”SWITCH”という本。ステークホルダーや組織について学べ。
  3. Psychology:人間のためにデザインしているのだから人間について学べ。human behaviorとか。
  4. Narrative Fiction:プロットやシナリオ、ライティングのスキルをあげよ。相関やストラクチャ。
  5. Interpersonal Relations:結局は信頼を培うことが、仕事を終わらせるのに効果的である。

いろんな分野の本を読んだりして互いにシェアしましょう。色んなことに好奇心を持って、オープンマインドで、吸収するのが大事。

UX Communities: Starting from the Beginning (panerl)

by Matthew Solle, Martin Belam, Joe Sokohl, Eric Reiss

UXコミュニティについてのパネルディスカッション。ブリティッシュイングリッシュでモシャモシャしゃべるモデレーターとパネル達で、私には何言ってるかさっぱり分からなかった。

パネルというかオーディエンスも丸く輪になって、ディスカッションに参加するスタイルで、各地域のUXコミュニティ運営について、相談したり、アイディアを出したり…といった内容。

唯一聞き取れたのは、サウスフロリダから参加してた人の悩み(スポンサーのいないUXコミュニティ運営でスピーカーを確保するのが難しい)に対して、LAの人が、ぺちゃくちゃナイト(show&tellみたいに参加者がマイクを持って話すスタイル)がいいよ、と言っていたことぐらい。


Posting Our Hearts Out: Understanding Outline Self-Disclosure for Better Designs

by Javier Velasco-Martin

コミュニケーションツールごとに、intimacy(親しさ)を感じる度合いがあるのか、オンラインで個人的なことを打ち明ける(Self Disclosure)モチベーションは何なのか、またそこでデザインはどんな役割を果たすのか、についての研究。

オーストラリアのドナ・スペンサーというIAの彼女がtwitterで「明日デートだから楽しみ!」と発言していたのを引き合いに出して「何でそれ書いたの?」と本人にインタビューするなど、オーディエンスとやりとりしながらのセッション。

オンラインSDのモチベーションや実際に行うかどうかのvariables(影響する要素)として、Personal(Catharsis, Loneliness, Self-esteem, Work Experienceとか)、Technology(Frequency of use, Social response)、Social(social context, the people we are having a conversation with)という異なる3グループがあるとみている。

調査では、5つの主要なCMC-Computer Mediated Communication-ツール(Email, IM, Blog, Facebook, Twitter)でのSDとfrequency of useには強い相関があることが示唆されている。

現在もまだ進行中の研究なので、最終的な明快な結論はまだ出ていなそう。

Closing: The Most Valuable UX Person in the World

by Jared Spool

有名NASCAAドライバーやシャラポアなど超有名テニスプレーヤーとそれぞれの獲得賞金の写真を見せながら、スポーツ界ではランク付けが容易で、誰が最も価値あるプレーヤーなのかを測ることができる。

では、UXについてはどうやって、良し悪しを見極めるのか、というのがこのクロージングのテーマ。

採用担当を助けるための視点として、certificate、ポートフォリオ(decision processがどうであるかを知る)などがある。

どうやったらvaluableなUXパーソンになれるか。そのためにはプロジェクトワークだけではなく、practiceやcritiqueも必要。mentor-and-apprentice(徒弟)モデルも必要、デザインボキャブラリーを増やすことや、カリキュラムを作っていくことも大事。(body of knowledge trapを避けよ)。

世界で最もValuableなUXパーソンというキャッチーなタイトルだったけど、特定の誰かや特定の分野にフォーカスするという風でもなく、要は、It’s You! みたいな話か、と理解した。

Posters & Reception

concent-model_to_page-design_ias11

コンセントの今年のポスターは、”Content Model for Page Design”。
AppleのiPadのコンテンツモデルとWebページを例にあげて、コンテンツモデルを用いてページデザインを行うことができるということを説明。

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私のIA/UX観

Posted in IA / UX / HCD / UI on 8月 29th, 2010 by chibirashka – 1 Comment

先日の「富裕層向けユーザーエクスペリエンス」に引き続き、大それたタイトルで書いてみる。

しかし思考がまとまっているわけでもなく、超個人的な備忘録って感じだけど。

私がIAやUXに興味を持った経緯は、2002-2006年頃までのディレクター時代の経験によるところが大きいわけだけど、その当時から現在のようにIAやUXということについて学んだり考えたりする機会に恵まれる今に至るまで、私の中で揺らぎなく思っていることがある。

それは、

「素晴らしいと納得できるIAやUXは、究極的には、自分でサービスを立ち上げることでしか実現できないのではないか」

ということ。

反対意見の方が多いんだろうなと思うけど、何年考えてみてもやっぱりそこの意見が変わることはない(少なくとも今のところ)。というか、正しいとか間違っている、とかではなく、私はIAやUXをそこまで拡大解釈して捉えていると思う。

IAというか特にUXについてかも。

IA設計やUX設計の時、ユーザーとコンテンツをどうつないであげるか、どんな体験をさせてあげたいか、そういうことを検討するけれど、もっと根本的なところで「継続性」というキーワードがあるのではないかと思って。

「見れていたものが見れなくなってしまう」とか「使えていたものが使えなくなってしまう」とか、それって著しくネガティブな印象を与えてしまうと思うから。

使い勝手だとか、「この世界観素敵だわ〜」というような印象とか、そういう一時的なことではなく、継続的にサービスが提供され続ける、ということが一番プリミティブなUXなのではないかと思う。企業で言うところのゴーイングコンサーンみたいなものか?

電化製品とかのプロダクトの場合、「そもそも壊れない」品質で世に出されるはずだし、ラインオフしたらほとんどのものは、アフターサービスを除いてはメーカーの手を離れてしまうと思うけど、仮に少々使い勝手が悪かったとしても、物理的に存在している以上、朝起きてみたらあったはずの電子レンジがなくなっていたなんてことは基本的にありえない(盗まれたとか、テレポートできちゃった、とかじゃない限り)。少なくとも、プロダクトが「こちら側」にあるので、ある日突然そのプロダクトが消失してしまうとしても、それはユーザー側の責任で済ませられる。「レンジがなくなったのは製造元のA社が悪いのだ。A社なんて大っきらいだ!」とはならないはず。

でも、Webサービスとか何か「仕組み」を提供している場合は、使っているのはユーザーで、操作しているのは「こちら側」だけど、操作している対象は「あちら側」にある。バグのない品質担保された状態でリリースされても「こちら側」に所有できるわけではない。ある日突然(事前告知されるとしてもだ)そのサービスや「仕組み」が消失してしまうとしたら、それは「あちら側」の都合であって、ユーザーの責任ではないので「こんなサービス大っきらい!」となってしまうんじゃないだろうか。何か記録を残したりするアーカイブ性の高いものだと特に。

となると、そもそも、サービスや「仕組み」が消失してしまわないような事業モデルが作れることや、維持・拡大していくための営業力、将来を予測しながら攻めていくための財務戦略、チームビルディングのための組織マネジメントが大事かつ、そこに責任を持つところまで必要なんじゃないかと思うわけ。(すごい飛躍した結論に聞こえるかもしれないけど)

仮説を立てたりコンサルするだけじゃダメで、営業に行き、売上を自ら立て、チームの士気を上げ、ファイナンスもやる、そこまで全部。

「こんなユーザーが、こんな状況で、こんな機能を、こんな体験と共に、こんなフローで使える」といったシナリオや、それに基づいた実装は、ほんとに表面的な皮膚みたいなもんで、そもそも体全体を維持することの方が大事なんじゃないのかなーと。

ま、表面的な皮膚のところをどうするかさえ難しいんだから果てしない話だけど。

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富裕層向けユーザーエクスペリエンス

Posted in IA / UX / HCD / UI on 8月 18th, 2010 by chibirashka – 2 Comments

最近の私の関心事の一つとして「富裕層向けユーザーエクスペリエンス」というのがある。
仰々しく書いてしまったけど、富裕層向けのサービスはどのように設計されるのか、誰が設計できるのか、なにをもって良い体験といえるのか、というようなこと。

なぜ最近そのことが気になるかというと、自分の身の回りのサービスがいわゆる「富裕層向け」「エグゼクティブ向け」っぽいものが多いことに気づいたから。だからといって、「チビラーシカ=富裕層」とか「チビラーシカ=セレブ」とは限らないところが味噌なんだけど(謎)

そもそも世の中一般的に富裕層っていうのは誰なのか?Wikipediaによると、

富裕層(ふゆうそう)とは、セグメンテーションのひとつであり、一定以上の経済力や購買力を有する世帯を指し示す。
世帯年収2,000万円から3,000万円以上、金融資産1億円以上などとして定義されることが多い
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%8C%E8%A3%95%E5%B1%A4

だそうだ。

ボストンコンサルティンググループの「Global Wealth Report」では「金融資産100万ドル以上を保有する富裕層は…」と書かれているので、日本だけでなく海外でも、富裕層の定義はやはり金融資産でざっくり1億円と考えて良さそう。

私は我が家の世帯年収や金融資産がどれぐらいあるのか、全く知らないので(夫任せなダメ妻ゆえ)、我が家がこれに当てはまるのかは知らないけど、わりと好き勝手にやらせてもらっているところを見ると、年収1,000万ではないんだろうな、という感覚は持っている。

(あちこちから石が飛んできそうではあるけど、無謀を承知で言えば)実際、年収1,000万程度じゃたいしたことできないよな〜、となんとなく思うし。

でも、なんとなく日本だと、年収1,000万っていうのが一つのラインとしてあるような気がするし、下手すると、その年収程度の人を想定した「富裕層」サービスというものがありそうな気がするな。

一応の定義はあっても「富裕層」っていうのが曖昧で、セレブに憧れて、それっぽい雰囲気を醸しだしている人たちをも、便宜上なのか揶揄的になのか「セレブ」と呼んでしまう、そういうのに似ていると思う。

対象の定義が曖昧ゆえ、そこに提供するものがどうあるべきか、ということを考えるのも無謀なんだけど、とりあえず私の身の回りにあるも「多分、これって一応富裕層(的な人)向けなんだろうな」と思うメンバーシップを挙げると

  • 六本木ヒルズコミュニティパスポートPREMIUM PASSPORT
  • CLUB ON PLATINUM(西武)
  • The Leaders Club(ラグジュアリーホテルのメンバーシップ?)
  • CLASS ONE(HISエグゼクティブセクション)

とかとか。

挙げてはみたけど、まぁ、見て分かる通り、基本的にはどれもこれも庶民的なものばかり。
こんなメンバーシップカードを気にしていることそのものが富裕層ではない、と私は思う。
上記の中で最も腑に落ちないのが、CLASS ONE。ほんとの富裕層なんてHISではチケットを買わないのだよ、と思う。

私自身は貧乏性だし、一般市民なので、つい「わーい!ポイント貯まってラッキー♪」「同じビジネスクラスなら、多少安くチケット取れた方がお得じゃん!」と思うクチなんだけど、例えばうちの夫などは、今でこそ私に教育されたために、うまくクレジットカードを使い、マイレージも気にするようになったけど、私と出会った頃は、航空会社のマイレージサービスにも入らずに、乗るのはいつもファーストクラスという人だった。車購入もニコニコ現金主義で一括でボーン、みたいな。
こういう人が本来富裕層と分類されるべきと思うけど、そういう人って別に細かなサービスとか気にしていないから、富裕層向けのサービスが響くのか謎だ。となると、企業が「富裕層向け」と謳っているサービスの大半は、実は「富裕層」向けではなく「富裕層っぽく”見える”人」「私って富裕層かもと思っている人」「気づかず富裕層の恩恵をあずかってるだけの人」向けでしかないのではないだろうか。

ちょっと話は変わって、今度はある商業施設のフィールド調査の報告会で上がってきたポイントについて。
「フロアマップとかサイン表示が分かりにくく、人がいない閑散としたエリアができてしまったり、建物全体が分かりにくい印象になってしまっている。これはユーザーエクスペリエンスを低下させてしまうので、ビジネス機会の損失になるのではないか。」というものだった。
聞いているときは、「全くそのとおりだ!」と激しく同意したのだけど、ふと道を歩きながらもう一度そのことについて考えてみた。

ほんとにビジネス機会を損失しているんだろうか?

例えば、その商業施設は我が家でも利用するのだけど、なぜ利用するかといえば「すいてるから」「比較的子どもや赤ちゃんが少なくてうるさくないから」「好きな店があるから」であって、そこのメンバーシップを持っているから、という理由は限りなく利用動機の下の方にある。その商業施設が特別好きなわけではないけど、気に入ったものがあれば、通りがかりに100万以上の買い物をすることもある。(この施設に限らず、我が家が好んで利用している施設にはどれもこの共通点がある気がする)

もし、フロアマップとサイン計画を見直し、とても分かりやすい施設になって、来場客が増えた結果、店内がごちゃごちゃするようになったら、確かに閑散としたエリアは減るかもしれないし、そうした人達が1-2万の買い物をするかもしれないけど、100万の買い物をする私達は多分そのお店には行かなくなる。

どちらがビジネス機会を損失するんだろう。もちろん、1-2万の買い物しかしなくてもそういうお客さんが100倍に増えれば、1回で100万使うお客さんを抱えるより繁盛するので、どういう性格の施設でありたいか、という方針次第なだけだけど。

しかもこれって、「富裕層」がどうか、ってことでもなく「子どもがいない我が家のような夫婦の場合」ってことなので、限りなくニッチだと思うし、仮に我が家に子どもができた場合は「ベビーカーがスムーズに進めないなんてけしからん!」とか言ってるかもしれないので、置かれた状況次第なんだけどさ。

またまた話は変わって、先日軽井沢・星のやに宿泊した。これは別記事を書こうと思うので、サラーッとだけここで書くと、確かに素敵なところで、行ってよかった!と思うけれども、「(すごい、良いとは)言っても、こんなもんか」というのが正直なところだった。何かがダメだったわけじゃなく(厳密に言えば、ダメなポイントはいくつかあるけど)、全てが想定範囲内だった。

星のやといい、洞爺湖ウィンザーホテルといい、レセプションエリアでのウェルカムドリンク、という時間が「あなた達特別です」感を演出してるだけでしかなく表面的で、上質なサービスを体験したことがない人が企画してるんじゃないだろうか?と感じてしまうのよね。

もはやテーマが「富裕層向けUXとは」から「河内家的に嬉しいサービスとは」にずれてしまってるけど、要は

  • めんどくさくない
  • うざくない
  • 待たせない

というのが必須要素。これは、「このサービス、ナイス!」って思う要素というよりは、「このサービス、まぁ、悪くないね」に達するための最低要件であって、これが「ナイス!」の評価になるためには、プラスαが必要。

例えば先に挙げた六本木ヒルズコミュニティパスポートPREMIUM PASSPORTでいえば、確か駐車場無料といった特典があるけど、駐車場無料なんかじゃなく、エクスクルーシブなvalet parkingを有料で提供してくれた方がうれしいし、西武のCLUB ON PLATINUMで言えば、専属外商担当がついてバシバシ電話くれたり、専用ラウンジでお茶出してくれるよりも、パラパラ各お店から来るハガキをまとめて一括でファイリングして送ってくれる方がよかったり、ホテルでいえば、パブリックなレセプションエリアでウェルカムしてくれるより、さっさとお部屋に通してくれてそこでチェックインさせてくれた方がよっぽど嬉しい。とかとか。

しかし、私が

  • めんどくさくない
  • うざくない
  • 待たせない

を挙げる理由は、「私がそうであって欲しいと思っているから」というよりも、この要素全てが夫の機嫌の維持に影響するからである。

夫と一緒にどこかに行ったりするときには、そこで見聞き、感じることを共有して、楽しく過ごしたいし、そのためには夫が不機嫌になると困る。機嫌がよくサービスを受け、またその提供されるサービスを夫が気に入った場合には、永続的な利用が見込めるので、結果的に私も永続的にそれを一緒に利用できるのでメリットがある、ということ。

デザイナーやプランナーは自分以外の誰かのためにデザインする時、そのインサイトを深く知るためにユーザー調査を行ない、得られた結果をデザインに利用できるようモデリングを行うと思うんだけど、我が家のようなユーザーの場合、あまりにも意思決定のパラメーターが多すぎて、そして場当たり的なので、モデル化できないんじゃないかと、ふと心配になってしまう。

心配というか、我が家でさえそうなんだから、金銭的な制約事項がない(可能性の高い)富裕層の場合、意思決定の際に、より強く影響を及ぼす外部要因というのが多く、また想定外なものが多い気がして、だからこそ、そういう層向けのサービス設計やユーザーエクスペリエンスデザインができるのは誰なのかな?と最近興味を持っている。

—–追記(8/19/2010)—–

ある方から、日本の富裕層のほとんどは、地方在住で土地を持ち、駐車場やアパートを経営している団塊世代で、日本の富裕層向けサービスの多くはそこに設定されている、と教えていただきました。都会でお金をどんどん使う富裕層というのは少数派で、そこへのサービスはまだ少ないようです。

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