ファッションセミナーとワークショップの講師をしました
うわー。今年に入ってから一度もここを更新していなかったとは!
普通の方のブログはたまに更新しているのだけど…。
http://chibirashka.jp/blog
※ この普通ブログの方でも、ファッション系イベントやレセプションなど色々アップしてるのでよかったらご贔屓に〜
7月後半に久しぶりにファッションセミナーとワークショップの講師を務めたのですが、遅ればせながらその時のスライド資料を公開したので、ブログ記事にしておきます。
開催は7月27日。
日本最大規模のデザイン会社「コンセント」の社員向けに、「コードとモード 名刺代わりのファッション」というタイトルで、座学とワークで2時間のプログラムとして行いました。
コンセントは私が本業として所属している会社でもあります。
https://www.concentinc.jp/
「コンセント」には、社内に持っているスキルセットをプログラム化した教育制度「CONCENT DESIGN SCHOOL」というのがあります。
もともと、社内勉強会や自主活動が盛んな文化で、またデザイナーやPMなどいろんな社員が、講演やセミナー、企業研修等の講師依頼、登壇依頼をいただくことも多いコンセント。ついには教育プログラムも自分たちでデザインしちゃったという感じ。つまり外でやってるのを中でやればいいじゃん的な感じでもあります。
毎月、けっこうな数のセッションが動いているうえ、さすが、さまざまなプロジェクトを扱ってる会社だけあって、ジャンルの幅広さとクオリティの高さには、自社ながら驚くばかりです。
「ウェブ戦略」あり「コンテンツ戦略」あり「プロトタイピング」あり「契約・法知識」あり「モーション」あり「撮影ディレクション」あり「雑誌づくり」あり「イベントの作り方」あり…
要はデザイナーとして必要なことであればなんでもやる!というデザインスクールなのですが、その一環で、この日はファッションを扱ったのでした。
私も外部でファッションセミナーの講師に呼んでいただいたり、自分でワークショップやったり、コラムを寄稿したり…とやってたのですが、社内でファッションセミナーやるなんて3〜4年ぶり!ここ数年、バラバラと小出しにしていた知見などを、ある程度体系立てて、そして体験できるように設計したのが、このファッションセミナー「コードとモード 名刺代わりのファッション」です。
産みの苦しみがだいぶあったけど、ここ数年自分がやってきたことのいくつかは、フレームワークにも落とすことができたし、「こういうことだったのかー!全部こうつながるんだー!」と我ながら、関係性の発見もあり、しかも、多分、誰もが(特にビジネスパーソンやデザイナーであればファッションに興味がない人でも)、ある程度までは自分自身のパーソナルスタイリストになれるというレベルに、再現可能性を高めた感があります。
この日のセミナーは、
- 男女両方
- 新入社員からベテランまで入社年次も色々
- デザイナーからPMなど職種も色々
- ファッション好きから苦手な人までリテラシーも色々
というオーディエンスだったので、それに耐えうる抽象度を保ちつつ、持ち帰り感も担保できるよう具体的なものもたくさん入れました。
社会人、特に今回はクリエイティブ職種(デザイナー、アートディレクター、PM)向けだったので、通常業務のプロジェクトのプロセスにも即したような方法で、パーソナルスタイリングの全体像や具体的な取り入れ方などを紹介しました。
スライドの一部ですー。
座学では、特に4つのフレームワークやツールにフォーカス。
- TPPOS
- CODE & MODE
- 5 LEVELS
- WARDROBE SPECTRUM
そのなかでも、具体的に実践しやすいツール「WARDROBE SPECTRUM」をチラ見せしましょう。
以前、Rhythmoonでの「旅するファッションコラム」にも書いたものをブラッシュアップした感じのものです。
「ワードローブの傾向をスペクトラムで考えるクセをつけよう」
http://www.rhythmoon.com/column/2016/03/post-1708.html
前半の座学である程度の考え方などを入れた後は、パーソナルスタイリングの全体像の各フェーズを簡単に体験できるような、実際的なワークショップのセッションを行いました。
ワークショップの流れはこんな感じ。
- IMPRESSION|調査と分析
- EXPECTATION|仮説
- VALUE|価値分析
- CONCEPT|コンセプト作り
- EXPRESSION|統合ワーク
世の中にパーソナルスタイリストはたくさんいるし、ファッション系セミナーやイベントなども、少なからずあると思いますが、このプログラムは私らしいバックグラウンドを活かして提供しているので、ユニークだと思います。
その理由として、このプログラムの設計・提供にあたっては、
- 物事を言語化する能力がないと難しい
- 視覚デザイン、平面デザインのバックグラウンドがない人にはできない
- 情報アーキテクチャやユーザーエクスペリエンスデザインのバックグラウンドがない人にはできない
- ビジネス言語(リアルな会社員の思考、一般的な企業での日常生活で使われている感覚含む)で話せない人にはできない
- リアルにHIGH & LOWの両方の世界を知らないとできない
- ワークショップファシリテーション経験がないとできない
- ごく平凡なファッションから突き抜けた経験がないとできない
といったことがあるからです。
テーマとしてファッションやスタイリングのことを扱ってはいるのですが、ファッション業界経験しかない方にはおそらくできないブリッジの仕方をしています。
またさらに、実際の開催までの間には、デザインスクール運営事務局のメンバーと事前の何度かのミーティングやプロトタイプのレビュー、ランスルーも行ったので、精度があがりました!
ちなみにそのメンバーとは主に『なるほどデザイン』の著者である筒井美希さんや、プロジェクトマネージャーとして400名規模のセミナーで登壇経験もある(←しかもこの時のスタイリングは私)の中村朋子さんという豪華メンバー。
筒井美希さんの『なるほどデザイン』
https://www.concentinc.jp/labs/2015/08/naruhodo-design/
中村朋子さん登壇のCSS Nite LP40
http://cssnite.jp/archives/post_2812.html
終わったあとに参加者のみんながくれたお手紙(コメントか…)は、
- 「目からウロコ。新しい世界が見えた」
- 「こんなに構造化して振り返る機会がもててよかった」
- 「コンセントの必修授業にしてもいいと思った」
- 「理論的な説明で説得力があって「単におしゃれ好き」と切り捨てられなくてすみそう」
- 「デザインとファッションを考えるプロセスは確かに似てる」
- 「フレームワーク使ってみます!」
- 「世の中の大体のことはIAのフレームワークで分解できることがわかった」
などなど…。嬉しい(涙)
日々の業務ともある程度リンクして考えてもらえた面も、あるいは普段考えなかったようなことに気づいてもらえた面もあったようで、ホッと一息。
ワークショップ内容は公開しませんが、スライド資料をこちらで公開しています。
CODE & MODE | What You Wear is Who You Are from Naoko Kawachi
Keynoteで作ったものをアップすると日本語が表示されない問題があるので、PPTXでの公開フォントや見た目が微妙に違って美しくないけど(涙)
よかったらご覧ください。
ちなみに最近の私は、本業のコンセントのほか、フラワーショップ「kusakanmuri」のPR担当、プロヴァンスのファッションやグルメを紹介するフランスのライフスタイルブランド「La Cigale(ラ・シガール)」のPR担当などもしていて、けっこう忙しくしているので、パーソナルスタイリングのご相談などはあまり積極的には受けていないのですが、スタイリングでも企業内研修としてのセミナーやワークショップなど、もしご興味ありましたら、ご連絡ください。