旅先で作ってあげる日本家庭料理
すっかり更新しないでいるうちに年も明けてしまった。
慣らし運転ってことで(?)、色々考えずに、脈絡なく思い出したことを記事にしてみようと思う。
ニューヨークの友達の家で、日本の家庭料理を作ってあげた話。
パッキングしていった食材や調理器具、作ったものなどについて。
料理を作ってあげる友達
去年の3月、サンディエゴに出張に行ったついでに、ニューヨークの友達の家に寄った。留学時代からの友達。
西海岸から東海岸への移動なので、ついでというかなんというか…。
ま、とにかく日本から行くよりは近いので…。
ここ数年、ニューヨークに行くといつもその友達の家に泊めてもらっているんだけど、一昨年の夏に彼女が出産し、パートナーである女性と赤ちゃんと3人で暮らしているので、私が今までのようにお邪魔するのってアレかしら…と若干遠慮がちでいたところ、いつでも来ていいとのことだったので、またまたお言葉に甘えて滞在。
彼女は公認会計士で、わりとフレキシブルな働き方をしている。
いわゆるテレワークというか、どうしても必要な時はオフィスに行くこともあるけど基本的には家で仕事をしていて、滞在中に様子を見ていた限りだと、朝8時頃からテレカンがスタートする。だいたい、午前中に2本、午後も2本ぐらい。だいたい16時前後には仕事が終わっているようだった。
もちろんケースバイケースで、午前中に1本テレカンやったあと、パートナーと赤ちゃんと一緒にセントラルパークにお散歩へ行き、午後またテレカンやってその後はデスクワークを夜まで続けることもあるようだったし、あるいは、午前中からずっとテレカンで、15分ぐらいでパパっとランチを済ませたらすぐに午後の仕事にとりかかり、15時頃に仕事が終わってからお散歩、というようなこともあったり。
以前、赤ちゃんが生まれる前までは、朝6時頃に部屋を出てウォール・ストリートで仕事をし、16時頃仕事を終えて帰宅。休暇滞在中である私に合わせてくれていることもあって、17時〜18時頃に家で一緒に軽く夕食を済ませてからブロードウェイにショーを見に行ったり…ということもあった。
朝が早いということもあるけど、夕方早い時間に仕事を終えて帰ってくるので、夜をとても有意義に過ごしている印象がある。
しかしいずれにせよ、赤ちゃんが生まれてからは、仕事が終わってから食事を食べに行ったり、出歩くことがとても減ったように見えた。私が滞在している間は、あれやこれやとやってくれようとするけれど、それでも、仮に私が彼女とご飯を食べに行ってしまうと、赤ちゃんとパートナーは家に取り残されてしまうし、私がパートナーの方と出かけてしまうと、友達と赤ちゃんが残されてしまう。
というわけで、今回、ニューヨークでは、みんなでご飯を一緒に食べられるよう、私がご飯を作ってあげようと思っていたのだ。
いつでもニューヨークに行きたい!って思うけど、かといって、言うほど、あそこに行きたい、ここに行きたい、ということもあまりないことが多く、ニューヨークに行く理由はもっぱら彼女としゃべるためだから、料理をして家で食べるのは合理的でもある。
ニューヨークで日本食を作る
せっかくなら日本食、しかも、超普通の家庭料理を作ってあげたいと思いメニューを考えた。
そして、普段、彼女達がどれぐらい料理をするのか(料理にかける時間の価値観)、調理器具がどれぐらい揃っているか、近くに日本食スーパーがあるかなどが分からなかったので、最低限のものは持っていくことにし、手早く作れるものを中心に検討。
考えていたメニューは、
- お好み焼き
- ひじきの煮物
- 高野豆腐の煮物
- ちらし寿司
- 明太子(たらこ)スパゲッティ
- フルーチェ
- 白玉だんご
などなど。
基本的には、混ぜるだけ、焼くだけ、というような簡単なもの。
ニューヨークには日本食スーパーがあり、スーパーでも日本食(アジア)コーナーがわりと充実している。少なくとも私が記憶している限りでは、グランドセントラル駅の近くに豆腐だけで何種類も、カレールゥだけでも何種類もあるような充実した日本食材店があったし、セントラルパーク近くのコロンバスサークル内のWHOLE FOODS MARKETにも、海苔や干ししいたけなどが売っていたと思う。
でも、そこまでわざわざ日本食だけ買いに行くのが面倒かもしれないし、かといって近くの食料雑貨屋ではどれぐらい揃うか分からないし、着いたその日にパパっと作ってあげたいし…。
パッキングした食材
- お好み焼き粉
- おたふくソース
- マヨネーズ
- 青のり
- てんかす
- 紅しょうが
- 桜えび
- 顆粒だし
- かつおぶし
- 高野豆腐(出汁の素がついているやつ)
- 乾燥ひじき
- 白玉粉
- ゆであずき
- きなこ
- しょうゆ
- 鎌田のだし醤油
- 日本酒
- 生わさび
- 本みりん
- ごま油
- フルーチェ
- ちらし寿司の素
- たらこスパゲッティの素
- 永谷園の松茸の味お吸い物
- フリーズドライの具が入ったインスタント味噌汁
などなど。写真に写っていないものもあるけれど、乾物と調味料が多い。
家から彼女の家に直行という旅行だったら、もっと生ものとかも持ってこれたけど、ここに到着する前に1週間ぐらい別の旅程があったからね。
醤油はキッコーマンのやつがアメリカでもスーパーに売っている。でも、ちょっとした食料雑貨店だとない場合もある。わさびも同様。わさびの場合は、スーパーに置いてあっても粉わさびだったりする。S&Bのカレー粉のわさび版みたいなやつ。ハンバーガー、サンドイッチの国であるからマヨネーズも当然売ってるんだけど、キューピーマヨネーズのような日本のマヨネーズの方が圧倒的に美味しい。ごま油もセサミオイルが売っているけれど、日本のごま油のような風味豊かな感じじゃなかった記憶。90年代最後〜00年代初頭のアメリカ、しかもアイオワに住んでた時の記憶なので間違ってるかもしれないし、都会だと全然違うかもしれないけど。
ありがちだけどお好み焼きを選んだ理由は、私の友達が昔日本に来た時に食べさせたら気に入っていたから。それに、経験上、お好み焼きソースは多くの外国人の口に合う。そして、鰹節が熱で踊るのも面白いから。
たらこスパゲッティの素については、たらこ味って受け入れられるのかどうか知りたかったから実験的に持っていった。
パスタに使うのもいいし、ポテトサラダのようにして使ってもいいかなと思って。
それから、松茸のお吸い物の素も、お吸い物として飲んでもいいし、バターときのことか炒めあわせたところに使ってパスタソースに使ってもいいかなと思って。
インスタントお味噌汁は鉄板!調理器具が思いの外なかった時でも、お湯さえわかせればマグカップで飲めるし。
パッキングした調理器具
- シリコンスチーマー
- シリコン菜箸
- シリコンスパチュラ
- 計量カップ
- 計量スプーン
アメリカと日本のだと計量カップの大きさが違う。比率で計りたい時は別にどっちを使ってもいいんだけど、絶対量を測る時は(特に日本のレシピで)、日本の計量カップがないと困ることがあるので。あと、菜箸も欧米では一般的ではない。BED BATH & BEYONDとかCrate and Barrelとかで見かけたことがあるような気もするけれど、一般的な欧米のキッチンではトングが使われるので菜箸は見ない。
実際、彼女の家で料理していたら「Naoko、日本では料理する時も箸を使うの!?」と、パートナーの子が驚いていた。
シリコンスチーマーは、ご飯を炊くために持っていった。
まさか電気炊飯器なんてないだろうし、かといって土鍋を持っていくのも重い。
だから、シリコンスチーマーを使ってレンジでご飯を炊くことにしたわけ。
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仮に、友達の家には鍋もフライパンもない!ってなっても、ご飯さえ炊ければ、上記にパッキングした調味料や乾物と、現地の一般的な手に入る野菜で、だいたいのものは作れるし。
ちなみに、米は彼女の家の近所の普通のスーパーでこれを買った。
リゾット用だとか、なんだかんだで、こういうパッケージに入った色んなやつがあった。
寿司を作りたいからSUSHIを選んだわけでもなく、ショートグレインでいわゆる日本米と思しき米がこれしかなかったから。ま、ちらし寿司を作るんだから、SUSHIで間違いでもないんだけど。
ちなみに、レンジを使ってシリコンスチーマーでご飯を炊く方法は、ググると色々出てきます。
例えば、
cookpad | レンジでご飯を炊く
http://cookpad.com/recipe/2303734
—-【追記:2015/2/10】—-
たまたま、こんなものを見つけた。こっちの方がご飯炊くのにもパッキングするにも良さ気。蒸し器としても使えるらしいよ。
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———追記ココマデ——–
つくった料理の評判
お世辞もあるだろうから、本当にすごく美味しかったかどうかはさておき、それでも作ったものについては全部美味しいといってたいらげてくれた。
高野豆腐の食感や、ひじきの見た目のグロテスクさ(?)、たらこの味など、大丈夫かなーと思ったものもあったけど、全部大好評。「美味しい」って言って終わりじゃなく、「作り方を教えて」といって、熱心にメモ取りながら再現しようとしてくれる姿勢を見ていると、お世辞でもなくちゃんと気に入ってくれたようだった。
ちなみに、友達の家の冷蔵庫を漁っていたところ、冷凍の枝豆を発見したので、ひじき煮にちょこっと使わせてもらった。枝豆は、私がアメリカに住んでいたころは、あまり一般的ではなかったと思うけど、最近ではけっこうみんな知っていて人気がある。
旅先でつくる料理のいいところ
相手にもよるけれど、多少なり料理に興味がもてる相手の場合、作りながらその場で日本食の作り方や調味料の使い方を教えてあげることができる。
いくらスーパーに日本食材が売っていても、何に使うのか分からなければ手に取ることもない。
お醤油も一般的に知られているとはいえ、わさびを溶かしてディップとして使うというような使い方が一般的で、私がマヨネーズなどと混ぜあわせて和え物のタレのように使っていたり、ごま油やビネガーなどと合わせて和風ドレッシングを作っていたら、「そんな使い方ができるんだ!」と、彼女にとっては発見のようだった。
何か彼女たちにとっての新しい体験になるっていうところが、料理のいいところだなと思った。
それに、食材を置いてくれば、忘れないうちに何度か作ることで身につくだろうし。
調理器具は持って帰ってきたけど、それ以外の食材は、使わなかったものも含め、使い方を教えて全部置いてきた。
そういうこともあってインスタントなものを持っていったということもある。
普段私は家であまりインスタント食品、食材を使わないんだけど、ガチで家庭料理について教えるとなると、ダシの取り方とか、全部になってしまって、初めてやる人にとっては先が遠すぎてきっとイヤになってしまうだろうし。
ちょっとズルになっても、「こんなに簡単なんだ!」「デリバリーやレストランで食べてる日本食と、ほんとの家庭料理って全然違うんだ!」みたいな楽しさがすぐに体験できる方がいいでしょ?
滞在を終えて、飛行機に乗って日本に帰国し、飛行機降りてスマホの電源入れたら、彼女のパートナーからメッセージが。
「作ってみたけど、これで合ってる?」
たらこスパゲッティとお好み焼きの写真だった。
旅先で作る料理は大成功だったっぽい。
また、何か作りに遊びに行こう。
ちなみに冒頭の写真は、友達の家の近所のスーパー。いわゆる一般的なスーパーとしてはFood Emporiumというスーパーもあったけど、この写真のスーパーは食料雑貨店って感じ。規模感で言えば、Food Emporiumがピーコックだとするならば、Amish Marketは成城石井みたいな感じ。とはいえ、Amish Marketには「おーいお茶」なども売っていたのであった。