ワークショップを開催しました

story of fashion workshop

4月16日、「あす着る服のストーリーをつくるワークショップ」を開催しました。

普段ロンドンにいるimaginableと東京にいるJetset Closetによる初めての試み。
正直、どうなることかと不安もありましたが、来てくださったみなさまからは大好評!

今日はそのワークショップの様子を少しご紹介します。

ストーリーでコーディネートを考えるという今回のワークショップ。

単に講演やレクチャーではなく、そしてハウツーでもなく、お互いの領域(imaginableのnarratology、Jetset Closetのパーソナルスタイリング)から歩み寄って、普通の人がどうやったらもっと洋服を楽しく着られるか、どうやったらいつもとは違った新鮮なコーディネートを体験できるかを中心に設計していきました。

その結果、かなりもりだくさんな内容に!
参加者のみなさんに体験してもらったワークの主なものを並べるとこんな感じ。

◆ワークの構成

1. Ice Breaking
知り合ったばかりの相手(パートナー)について推測しながら自己紹介するアイスブレイク

2. Create Your Story & Styling

1. あらかじめ用意されたカードを使いながら自分自身でストーリーをつくる

create story


2. あらかじめ用意された洋服やアクセサリー類のカードを使いながら、つくったストーリーに合わせて洋服のコーディネートを考える

create styling


3. つくったストーリーとコーディネートをグループ内で発表する

share story and styling

3. Recreate Your Story & Styling

1. パートナーが選んだカードを1枚加え、最初のストーリーを変える

recreate story


2. 変更されたストーリーに合わせて、コーディネートも変更する。その際、今自分が身につけているアイテムを必ず1つは組み込んでみる。

recreate styling


3. 新しいストーリーとコーディネートをグループ内で発表する

share recreated story and styling

4. Gift Item
さいごに、洋服やアクセサリーのカードのなかから1つ(あるいは複数)、ワークを一緒にやった自分パートナーのためにギフトアイテムを選んで、コメントと共にそのカードをパートナーにあげる

gift item
exchange gift item

5. Bookbinding
起承転結の形にまとめたストーリーの台紙と、ストーリーに合わせたスタイリングの台紙をまとめて表紙とハトメで留めて製本。クローゼットに入れておきたくなるようサシェも同梱

bookbinding
book

もちろん、これら各工程を「はい、やってください」と言ってもなかなか難しいので、どんな風にストーリーをつくったらいいか、ストーリーつくりに使うカードをどう使うか、コーディネートやスタイリングを考えるときに参考になるかもしれないいくつかの軸やストーリーとの組み合わせ方などについて随所にインストラクションパートも入れていきました。

コーディネートを考えるときの観点

コーディネートをつくる時の参考に例えばこんなことを挙げてみました。

◆コーディネートを考えるときの基本

  • 社会的要件(ドレスコード、TPPOS)
  • 機能要件(気候といった外部要因、体型・体質といった自分要因)
  • キャラクター要件(自分らしさのトンマナ)
  • 表現方法として利用できるアイテムのデザイン的特徴(カラー、テクスチャー、フォルム)
  • 組み合わせ方の基本(ボリューム、ポジション)
  • アイテム自体が持つストーリー(ブランド背景、産地、モチーフなど)
explain about texture

また、2回目にスタイリングをつくるときには、「今、身につけている自分のアイテムを使う」という制約事項も入れたので、アイテムの使い方のパターンとして、例えば

◆自分アイテムの使い方パターン

  • 同じカテゴリーのアイテムで代替(e.g. カットソーから自分のカットソーに)
  • 違うカテゴリーのアイテムで代替(e.g. スカーフをブラウスとして)
  • 類似カテゴリーのアイテムで差し替え(e.g. カーディガンからジャケットに、あるいはワンピースからジャケットに…など)
    ※何を持って「類似」と考えるかは主観要素
  • 最初につくったスタイリングにアドオン(e.g. 自分のバッグを追加)

といったこともサンプルとして挙げておきました。

今回のワークショップにあたって、洋服やアクセサリー類の画像を大量に用意したのですが、できるだけ、「多分普通の人はショップで見かけても手に取らないであろう奇抜なもの、何かしら特徴的であること」を念頭に置いて選びました。

これは意地悪というわけではなくw、普段目に止めないような(自分には関係ないと思っている)ものでも、興味を持って、自分との関わりを探して手にとってほしいということからです。

一方では、あまりに奇抜すぎて自分のストーリーとどう関連づけたらいいか分からない、組み合わせ方が分からない(柄に柄はOKなの?など…)ということがあるかもしれないという懸念から、「脱・無難」なスタイリングをつくるためのTipsとして、すぐに試してみることができそうなコツを3つ挙げてみました。

◆「脱・無難」なスタイリングをつくるためのTips

  • なじみの色でいつもは選ばない形を選んでみる
  • なじみの形でいつもは選ばない色を選んでみる
  • なじみのアイテムでいつもは選ばないテクスチャーを選んでみる

とはいえ懸念していたほど手がとまることはなく、みなさん楽しそうにワークしていましたが。

参加者の感想

ワークショップ終了後に参加者の方とお話したり、アンケートを見たりして特に目に付いたコメントとしては、「ストーリーをつくることで発想が刺激されて、普段選ばないようなコーディネートもしてみたくなった」「こんなにいろんな服があるということに改めて気づいた。これからショッピングが楽しくなりそう。洋服が欲しくなった。」「他の人にコメントをもらうと、けっこう自分の思い込みというのがあることがわかった。」というもの。

毎日の洋服選びでも少なくとも「今日の天気はなんだっけ?」「今日は何の予定が入っていたっけ?」ということは考えているはず。でも、そこにどんなストーリーがありそうか、とか、今日身につける服によってどんなことが起こりそうかということまではなかなか想像しなかったり。もちろん、朝の忙しい時間にそういうことまで考えるのはなかなかハードルが高いです。

だからこそ、日々の着替えの時間とは別に、こうやって装いのことをストーリーで考えてみることは(妄想や一人ファッションショーであっても!)、洋服を着こなすことへの訓練になるんだと思います。

この記事のなかに箇条書きで挙げたような項目は、まさに日々のトレーニング(?)メニューとして使うこともできるかもしれません。

また、会場にはギャラリーとして、たまたまいらっしゃった服飾系大学の講師の方には「参加者が感覚的に参加する部分と、言語化する部分とがきちんとあって、 フィードバックの仕方がとても上手だなと、勉強になりました。」とのコメントもいただきました。確かに、普段の服選びもわりと感覚的にやっている部分が多く、そして着替えは自分一人だけで完結してしまうことが多くて言語化する機会がないだけに、パートナーやグループでおこなうワークショップは意味があるのだと確信しました。

◆最後に

このワークショップの事前準備のためにオフィススペースを貸してくださった株式会社コアゲートのみなさん、そして当日もビデオ撮影や写真撮影、受付などなどを手伝ってくださった、コアゲートのやっちとユウヤ、スキーマの84ken、本当にありがとう。写真は84ken(左)とユウヤ(右)。撮影してくれてるのがやっち。

scema-choregate

また、無茶な条件でも素敵な会場を貸してくださったcoromozaのみなさん、ありがとうございます。

coromoza

11月にカーディフとロンドンで出会ったばかりとは思えないほど、あっという間に企画を成立させて、一緒にワークショップに取り組んでくれたimaginableのダイスケさんとエミリちゃん、本当にありがとう!また3人でこのワークショップをやりたいです!

imaginable & Jetset Closet

そして、平日の仕事が終わった後に参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました。

また近いうちに、何かしらセミナーかワークショップをしたいと思っているので、ぜひまたご参加ください!

credit:

《オーガナイザー》

《協力》

《お問い合わせ》

本ワークショップに関するお問い合わせ、取材、その他imaginableやJetset Closetとのコラボレーションのリクエスト等は、chibirashkaまで。

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