スタイリストDie-co☆さんのトークイベント

die-co book

これまただいぶ時間が経ってしまったけれど、3月1日に、知人からの誘いで、スタイリストDie-co☆さんのトークイベントに行ってきました。

Die-co☆(ダイコ)さんは、エディトリアルからTV、映画、舞台などのスタイリングのほか、もともとデザイナーをされていたこともあり、衣装制作ディレクションまで幅広く活躍されている方です。

写真は撮れなかったので、当日会場で買ったDie-co☆さんのサイン入り著書の写真だけはっておきましたw

ついでに、メモだけ取ったので備忘録的に、聞いたことと感じたことをセットにして書き散らしておきます。

マストバイに踊らされるな

雑誌などを見ると、「今季のマストバイ」といったような取り上げ方がよく見られ、あたかもそれをゲットしないといけないかのような錯覚に陥るけれど、マストバイだけで揃えようとすると全く成立しない。なぜなら編集部のセレクトは縦割りだから。バッグのマストバイ、セーターのマストバイ、スカートのマストバイなど、それぞれ担当が違っている。好きな着方や自分のスタイルがあることが重要だ。

⇒ 軸を持つことは大切ですね。同じマストバイでも、そもそも自分に似合うアイテムなのかどうかを見極める力が必要。自分に似合うアイテムがたまたまその年に流行している場合は、市場に豊富にさまざまなデザインのそのアイテムが出まわっていることになるので、そんな時は臆せず買う方向で考えた方がいいし、いくら流行っていて、世の中的に「マストバイ」であっても自分らしいアイテムでない場合は見送るという決断も必要ですね。

スタイルはどう作られるか

スタイルとはイコールライフスタイルであり、それは経験の積み重ねである。
色んなタイプのファッションを試したことがある人はそれだけ失敗の経験もたくさんしている。
世の中、リスク回避の風潮があるが、ファッションは失敗してなんぼのところがある。トライ&エラーが大事。

⇒ これは私が普段から感じていること。どんな服を着てきたかという経験もそうだけど、どれだけのさまざまな文脈を経験しているか、どれだけの場数を踏んでいるかということは、TPPOSの特に「S」を考えるときには重要だなと感じます。

服は着る人が主役

いくらいいアイテムを持っていても、その人の良さが出ていないとスタイリングとしてはダメ。
日本では「好き」「嫌い」と言い切るのを良しとしない文化。でも、これはよくない。「これは私には似合わないから」という言い方をしてしまうけど、本当のところは自分がそれを好きじゃない(嫌い)であることを婉曲しているだけ。着る人が主役なのだからまず「好き」なのか「嫌い」なのか意志を持つことも大事。若い子に迎合するのは日本ぐらい。ヨーロッパでは植民地時代や人種差別の文化なども経験しているがゆえにアイデンティティがもっとも大事。成熟した状態で存在するということがとても大事。大人は、いいものをちゃんと着て「こうやって着るのだ!」という風に若い子に見せて教えていく役割がある。

⇒ 「外見は一番外側の内面」と誰かが言ったことがありましたが、本当にそうですね!
そして、何も考えずに、当たり障りの無い無難なものを選ぶよりは「好きだから」「嫌いだから」という意志が入っている装いの方が、私は好感が持てます。ただし、知ってることとやれることは別だ、という話と同じで、やったこともないのに批判するような精神で「嫌いだから着ない」というのはいただけないな…。

「5歳若くみえる」を基準にしない

日本はKawaiiカルチャー。日本は若い子に価値があるような、そういうところがある。若くみられようと若作りを頑張るとか。娘なのか母親なのか分からないような同じような格好したりとか。「5歳若くみえる」を物事の基準にしてはいけない。50歳なら中身も50歳。装いも中身に釣り合っていないとおかしい。日本はもともと、いいものは長く大切にする文化だったのに、新しく作って話題になってすぐに壊してなかったことにするような、アメリカ的になってきているように感じる。新しいものはチャーミングでキャッチーだけど、使い捨てのようにやっていると、スタイルは生まれない。

⇒ 装いやワードローブにも、建築で言うところのペースレイヤリング(変化の層)みたいなものが存在すると私は思うのです。Site(土地)やStructure(構造)は変化しにくく(よくも悪くも変えにくい)、Space Plan(空間計画)やStuff(モノ)は容易に変化させられる。SiteやStructureにあたるような土台部分は、いわばその人の基本的なワードローブ構成やそこから感じられるトンマナでその人のスタイルであると思うし、そこはすぐに作れたり変えたりはできない。逆に言うと、人生のなかで積み上げてきた経験はそれが反映されるようなワードローブによって表現されるのが適切。(どういうライフスタイルの人が、どういう土地を選んでどんなコンセプトの建造物を家として立てるのかというような意味に近い。)とはいえ、ファッションというのはその時代の空気感を映し出すものであるから、ちょっとしたトレンドを取り入れることも楽しみの一つでもあるという意味で、インテリアや雑貨のように(長期間は持たない前提で)少し足したり、引いたりするということができるなと。スタイルとチャーミングでキャッチーなものの取り入れ配分が大事。

ワードローブの整理

人によってワードローブの整理方法は色々。アイテムごとに並べる人もいれば色ごとに分ける人もいるだろう。でも、優先順位をつけた整理がおすすめ。

  • 高いもの
  • 安いもの
  • 捨てていいもの
  • 大事に着たいもの

など。

高価な服などはもったいなくて着れないと感じるひともいるかもしれないが、3か月に1度は高いものにもちゃんと袖を通す!

⇒ 私の最近のクローゼットは偶然だけど、わりとこれに近い感じになってることに気づきました。私のクローゼットは、狭いウォークインタイプで、1辺だけに洋服が吊るせるようになっているのですが、その1辺と直角になるように強力突っ張り棒を渡し、L字型にプチ改造しました。

もともとの1辺の方は基本的にアイテムごとに並べているけれど、新たに渡した1辺には、まさに高価なもの、大事に着たいもの、気合が入るもの、今の気分のものを厳選して吊っています。そして、それはクローゼットのドアを開けた正面に見えるようになっているので、見るだけで気分があがるし、もっとも取り出しやすいので、高価だからといってしまっておくのではなくむしろどんどん日常に着れるようになっています。

高価なものを日常着にするのはもったいないような気もするけれど、使われない方がもったい。ぼーっとしてると高価なものは買ったけど着ていく場所や機会がないってことになったりしますが、そもそもそうならないように、高価なものを着るために、行き先を作る、予定を入れる、そうやって出番を作り、いい服を着る場数を作り自分の経験を増やしていくのです!

ブランドものを買う理由

それは、いいものをセレクトする目を持つことである。また、正規のショップで買うということも大事。モノを買う以上の体験がそこにはある。浅はかな欲求を満たす買い物をやめれば、いいものの1つぐらいは買える。そうやって手にいれたものには価値がある。

⇒ これも激しく同意!!パリのChloe本店やCartierで経験したこと、普段Dolce and GabbanaやBurberryで経験しているのはまさにこれ!

洋服は内面のプロフィール

装いは「どうみられたいか」を表現するもの。
そして、今何気なく着ている量販店の服も、なぜその色の服が売られているのか、なぜその形なのか、無頓着に選んだものでさえも、トップメゾンがコレクションで発表したものやファッション業界の影響を受けていたりする。誰もがファッションから逃れることはできない。映画『プラダを着た悪魔』にもあった通り。

⇒ 改めて、装いってパーソナルなものだなと思いました。自分をどう表現したいのか、常に自分との対話であり、社会のなかでの自分というメタ認知。
そして、Die-co☆さんの著書『ブランド・パスポート』のイントロにも書かれているのですが「ファッションは消費ではありません。文化であり教養です。」

いわゆるスタイリストさんとパーソナルスタイリストは動き方が違うのですが、根本的なところで考えていることは遠くないんだなと思うトークセッションでした。

ちなみに、当日は特にドレスコードがなかったけれど、誘ってくれた知人によると「どちらかといえばエレガントな装いが合いそう」ということだったので、

  • Dolce & Gabbanaのシルクのドルマンスリーブシルクブラウス
  • Dolce & Gabbanaのシルクのドット柄スカーフ
  • UAの黒のフェイクファータイトスカート
  • BURBERRYのムートンジャケット
  • Dolce & GabbanaのSicily mini shopperバッグ
  • Chloeショートブーツ
  • ロイヤルブルーのベレー(外にいるときだけ)

といった感じの服で行きました(多分、うろ覚え…)。

一緒に行った友達と確か写真を撮ったので、載せてもいいよって言ってもらえたらあとで載せておきますー。

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