IA Summit 2013: Day 1

April 5th, 2013

今年のキーノートは概念的すぎず、理解しやすい話だった。

キーノートの内容はカンファレンス期間通じて、エッセンスとしてあちこちに取り込まれるので、今回もキーワードとなった、Bear, Bat, Beesは、何度も出てくることになった。

Opening Keynote – Beyond Mobile, Beyond Web

by Scott Jenson / 9:00 – 10:00

◆個別発展ではなくより統合されつながった世界へ。そのための示唆。

ネットに関して、次にどんなテクノロジーがくるのかにとらわれがち。最初は新しいテクノロジーをみんな クールだと感じるがだんだんSuck! になっていく。また、ValueはPainを上回る(=使い勝手が悪くてもそれ を使うことで得られる効果が高ければ価値が上回る)。

重要なのはInteraction。アップルの最新危機もモナリザもバス停も、やりたいことは同じ。Interaction。 ソフトウェアの時代からエクスペリエンスの時代へ。

  • ソフトウェアの時代:購買⇒インストール⇒何度も使う
  • エクスペリエンスの時代:ディスカバーする⇒使う⇒忘れる

ネットがなかった時代にはソフトウェアをシッピングしていた。今はシッピングするものではない。そここ こに埋め込まれ電気のようにコモディティ化している。

Silos are counter productive = 通知機能、天井の電気。サイロ(個別に乱立)は生産性を著しく落とす。

All data in 1 place = 個別のサービスごとのクラウドではなくAPIを使って統合された1つのクラウドが望ま しい。

Just In Time ecosystem= 必要なものを必要な時に必要な形で利用できる生態系のインタラクションへ。

  • Bears: Big Screen, General OS(アップルやサムソンやアマゾン)← it’s Old-school!!
  • Bat: Focused function device (バス停はただのメタルの板に見えるけど実はGeolocation)
  • Bees: Sensors -only data

※Batになれ! 最も好ましいJust in time interactionの形である。
=モノに埋め込まれていくものに可能性がある、という示唆。また、そこにはリアルタイム性が求められる。eg. Nike Fuel band。

I Can’t Work With You, But I Need To

by Kyle Soucy / 10:30 – 11:15

◆UXリサーチを人に売るためにどうしたらいいか、をテーマにしているけれど、基本的には自分と異なるタ イプの人とコミュニケーションする時の方法について。

KyleのプレゼンはいつもIAというよりも、他の分野 の有用なエッセンスをかいつまんで教えてくれるようなセッション。

統計によると4人に3人は自分とは違ったように考えたり、違うものにモチベーションを感じる。 それはパーソナリティが違うからである。コミュニケーションスタイルは相手に合わせて変えるべきであ る。そのためには相手をよく知るべし。

人は4種類に分類できる

  1. Analytical: Thought person(分析的。完璧主義者であることが多い)
  2. Driver: Action person(行動的。タスクオリエンテッドでペースが早いことことが多い)
  3. Amiable: People person(友好的。人に重きを置くことが多い)
  4. Expressive: Front person(表に立つ。社交的であることが多い)

(どのパーソナリティタイプ論を用いるかによって変わる。1.ふくろう、2.イーグル、3.鳩、4くじゃく など 動物に例えるものもある))

まずは自分のタイプについて、人からフィードバックを得ることによりどう認知されているか知れ。

2 questions
– How assertive are they?
– How responsive are they?(顔の表情などから読み取る)

  • Analyticalパーソナリティ:less assertive + less responsive
  • Driverパーソナリティ:more assertive + less responsive
  • Amiableパーソナリティ:less assertive + more responsive
  • Expressiveパーソナリティ:more assertive + more responsive

LouとPeter Morvilleはお互いパーソナリティで見るとを補完しあっているようである。Steve Jobsとウォズニ アックも。

このパーソナリティタイプの話は、いかに効果的にコミュニケーションを取るかということよりも、相手の ニーズが何かを推測するために使うのが良い。

Designing with Sensors: Creating Adaptive Experiences

by Avi Itzkovitch /  11:30 – 12:15

イスラエルからのスピーカー。

  • レスポンシブデザインはスクリーン解像度の話
  • アダプティブデザインはコンテキストの話(人がどこにいて、インドアかアウトドアか…etc)

◆いかにアダプティブなセンサーを活用してアダプティブなデザインをするか。

《アダプティブデザインの例》

  • カーナビ: 昼夜で画面の色が変わる。GPSで。
  • Google Now(現在地に基づいて): weatherTraffic、公共交通機関(バス停や駅での通知)
  • Nest★: 学習型気温計。温湿、光など6種のセンサー。この気温では暑いとか寒いとかを記録できそのうち学習。 使っているうちに存在にも気づかなくなる。

◆Adaptive sensorとは何か:ユーザーのデータやコンテキストを教えてくれるもの

  • Accelerometer(加速度計): ユーザーが何してるか、ステッピングしているな…とか
  • camera: 暗いライトのとこにいるな…とか
  • Email Address: APIを通じてプロファイルまで(性別、年齢、趣味…)
  • Microphone: うるさいところにいるな…とか
  • Time and Date: クリスマスの朝だな…とか

◆AdaptivityのためのContextとはロケーションだけでない。

  • ショッピングを楽しんでいるかどうか、物理的、感情的な状態 – Boxing day(12/26)なのか月曜の午後なのか
  • どんな商品が近くにあるか空間的環境
  • GPSからIPS(Indoor Positioning System)へ。

例:

  • ショッピングのタスク詳細:その商品を何に使うのかに基づいて
  • 誰とショッピングするか:親と行く?一人?
  • 一般的なプリファレンス:ツナには赤ワインがあうか白ワインがあうか

Adaptive Thinkingというマインドセットは大事。

 Adaptive designの応用例:知らない花の調べ方

現在は、膨大な入力項目のあるフォームに入力して検索というようなナンセンスな調べ方しかない。 花の種類を調べるのに必要な情報はセンサーから取れる

  • 場所 ⇒ geolocation
  • 土の種類 ⇒ internet
  • 咲いている月 ⇒ time and date
  • 何色の花か ⇒ user input

こうしたセンサーとの連携で絞り込みができるはず

Brand-Driven Design

by Mike Atherton /  13:45 – 14:30

◆ごく一般的な、マーケティングやブランディングの話

  • ・value:the iconic thing that you stand for above all else(全てを通じて象徴するアイコン)
  • ・personality:your specific characteristics or how other describe you(他人がそのブランドをどう表現する か)

ブランドはあなたが代表しているコンセプト/アイディアで、あなたがやっていること。 そしてそれはパーソナリティによって実現しているものである。

  • safe + car ⇒ VOLVO(安全なクルマといえば、ボルボ)
  • robot + vacuum ⇒ iRobot(ロボットで掃除機といえば、ルンバ)
  • instant + camera⇒ポラロイド(インスタントなカメラといえば、ルンバ)

ブランドとは、決定のフィルターであり、ビジネスモデルの革新である。

ブランドバリューは全ての活動を通じて連携していなければならない。

eg. UKのスムージーブランド。

ウリはオーガニックで化学的なものを使っていないこと。
パッケージには”Stop looking at my bottom”のメッセージ。 (通常bottomには、凝縮剤とかケミカルな配合物についての記述があることへのウィットに富んだ反論)

ブランドードリブンデザインとは

  • Know your heart
  • Reframe your category – Define your mission
  • Find your voice
  • Make your difference shine

Why We Share: Communicating Social Engagement

by Angel Anderson /  16:00 – 16:45

人々のshareの動機づけがなにで、shareを促進するフレームワークを作るためのガイドラインについて

人間の進化:

Dominance ⇒ Communality(公共性) ⇒  Reciprocity(相互依存)

eg. 2歳の子供におもちゃを与えると”It’s mine!!”を主張。 7歳ぐらいになると他人を気遣ったり、シェアしようという言動に変わっていく

シェアに関する3種類の動機づけ

  1. Bragging:Look at me!!(私すごいでしょ!的自慢)
  2. Complain:不平不満はみんな言う
  3. Reaching out:指針的に参っている時につぶやくとみんなからフィードバックをすぐにもらえるような

ソーシャルについて考えるべきこと
1. Landscape: (SNS市場は)どこも混み合っているが、どこにあなたのシステムがフィットするか

《Social Layer Cake》

  • Conversation – Twitter
  • Family / Friend – Facebook
  • Professional Trust – Linkedin
  • Intimacy – Path

※クロスポストもできる

2. Framework

– Relationship Framework
QuoraやAirbnbはReciprocityだとか。

– Conversation Framework
会話はtwitterで、フレンドシップはFacebook、お金にまつわるコネクションはLinkedinなど

3. Social Objective

カーシェアリングやAirbnbのようにどんどんフィジカルなシェアリングに移ってきている。Behaviorの変化。

4. Personal Boundaries

Your share history is digital tatoo that you can never erase!!

5. Privacy

Trading privacy for value. FacebookのプラポリはUSの憲法よりも長く、年々さらに長くなっていっている。

6. Friction 

Evening Keynote – When Disaster Strikes – Where Do You Turn?

by Dr. Chris Hagar /  17:00 – 17:45

ハリケーン・カトリーナやサンディ、口蹄疫といった災害時の情報管理を通じた、IAのチャレンジについて の話。

  • 災害時の情報ニーズ(水、メディカル、家族探し、ネット、シェルター、交通、政府の援助…)
  • 災害時の情報管理的チャレンジ(情報過多、情報ニーズのダイナミックなチェンジ、多くのステークホル ダーへの効率的な情報のデリバリー、統合的な者リング方法、公式と非公式のチャネルをつなぐこと、 information seekerがproviderにもなること、信頼できる情報ソース、人々が情報を求めているその背景やコ ンテキスト…)

◆ソーシャルメディアのインパクト:

フィルターされないコンテンツ。フォーマルとインフォーマルが同じプラットフォーム上で伝播する。集合知とコミュニティ活動。

◆実際の例: (ハリケーンサンディ)

  • 市民によるアンオフィシャルな情報をコーディネートとアグリゲーションによりオフィシャルな情報として提供する
  • どのソースの情報をどのプロバイダーのソースとして提供するかの検討(人々が信頼できるようなチャネルを選ぶ)
  • ビジュアライゼーションとインタラクティブマップ
  • デジタルボランティア 

IA Summit 2013の他の日のセッションの記事はこちらから

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5 Comments

  1. 奈美子 より:

    どういう状況であなたの今のような考えになった?教えていただけませんか?

  2. chibirashka より:

    例えばどういう考えの部分についてでしょう?

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