Short trip to Berchtesgaden(ベルヒテスガーデンへのショートトリップ)
今回の旅の一番の目的がこれ。夫が「一生に一度絶対に行きたい!」と言っていた、ベルヒテスガーデンへのツアー。こんなマニアックな商品をメインにした日本からのパッケージツアーはないので、Alan1でオプショナルツアーを手配。
ベルヒテスガーデンへのツアーはいくつかあるんだけど、夫は英語ができないし、そんなに行きたいところなのだったらちゃんとした説明を聞けた方がいいと思って、ベルヒテスガーデン&ヒトラーの山荘1日観光ツアー<6~9月/日本語ガイド/ミュンヘン発>というのにした。英語ガイドだったら47ユーロでツアーがあったけど、この日本語ツアーは195ユーロもする。高い!!
しかも結論から言って、全然日本語ガイド意味なかった。
基本的にはGraylineなどがやっている英語ツアーバスに普通に乗ってみんなで一緒に行くんだけど、バス内でのガイドは英語で行われ、一緒に同伴する日本語ガイドが隣に座ってくれるとかでもない限り、日本語の説明を聞くことはできない。現地について、英語ガイドの人が、集合時間とか、そこでの過ごし方などを説明してくれるんだけど、それを日本語に訳してくれるぐらいの話。しかも、それもかなり端折った説明だから英語ガイドにくっついていた方がよほどためになるというか…。無駄なお金だった…。
ツアーは、ミュンヘン中央駅前のカールシュタットというデパート前の観光バス乗り場から出発する。同じぐらいの時間に出発するツアーがいくつかあり、観光バス乗り場はとても混雑するので、「観光バス乗り場がわからなかったらどうしよう!」なんていう不安は不要。人がワラワラいればそこがツアー出発エリア。
そのうち、各ツアーのガイドが、「◯◯行きの人はこっちですー」などと案内をしてくれる。ドイツ語ができなくても全然OK。説明は全部聞き取りやすい英語。(逆にいえば、ドイツ国内のツアーにもかかわらず、英語ができないドイツ人だったら参加しても意味が分からないのかもしれない)
ベルヒテスガーデン行きのバスに乗り込んだけど、ツアー人数の関係で、キムゼイレイク+お城ツアー(Royal Castle of Herrenchiemsee)の人達と混載(?)になった。よって、ガイドも2人乗った。
私達のベルヒテスガーデンツアーのガイドはグンターさんというおじいちゃん。キムゼイレイクの方のガイドはエレンという女性。まずバスは、キムゼイレイクでそのツアーの客を降ろし、それからベルヒテスガーデンに向かった。
バスの中では、エレンがしゃべる時はキムゼイレイクの説明。グンターがしゃべる時はベルヒテスガーデンの説明。わかりやすいように、グンターは自分のチームを「Happy Group」と名づけ、事あるごとに、陽気な調子で「Happy Group!」と叫んでいた。
キムゼイレイクの話の方が私は面白くてそっちに行きたかったなー。ルートヴィッヒ2世というバイエルン王の話が大半だった。彼はノイシュヴァンシュタイン城やヘレンキムゼイ城(ヴェルサイユ宮殿チックらしい)、そしてリンダーホーフ城という3つのドリームキャッスルを作ったことで知られていて、フェアリーテイルキング(日本語だと「メルヘン王」らしい)と呼ばれている。
ミュンヘンからのハイウェイは途中までは、遠くに時々山が見えるのを除いては、アメリカのI-80のよう。コーンなどの畑が広がり、サイロが見える。でも、街ごとに見える教会の形を見るとやはり、Bavaria(バイエルン地方)だなと思う。
さて、キムゼイレイクのツアー客をおろして、私たち「Happy Group」一行はベルヒテスガーデンに向かった。ベルヒテスガーデンは、美しい湖などもあって、景色のステキな観光地・保養地として人気の街らしいんだけど、グンターはそこはスルー。
私たちが向かったのは、Dokumentation Center(ガイドはそう呼んでいた) – Dokumentation Obersalzberg(オーバーザルツベルク資料展示館)。同じ会社が出しているツアーでも、ガイドによって、あるいはその日によって、ツアー内容がけっこう変わるらしい。
ここでは、ヒトラー、ナチスにまつわる写真やパネルの展示などなど。
私はいまいち楽しくなかったなー。楽しくないというか、キャプションとか説明とかが全部ドイツ語なのね。読む気が起きるかどうかは別としてせめて英語だったら少しは「へぇ」と思うところもあったかもしれないけど、全部ドイツ語となると、私に分かるのは、「あ、このおっさん、ヒトラーだな」とか「なんて残虐な写真なの!」ぐらいで、それが一体どういう状況かとか背景は分からない。
トイレに行こうと思って地下にいったらたまたま、地下の防空壕跡(?)があるのを見つけたので、そこもちょっと行ってみた。防毒ガスホニャララといったサインなんかがあった。地下に入ると寒いぐらい。
Dokumentation Obersalzbergを出た後は、グンターが10分か20分ぐらいでちょっと別のとこも見学できるけど行きたい人は一緒に行きましょうというので、ちょっと山道を入って、ヒトラーが買い上げて党員のために作った住居があったエリアを見に行った(そういう説明であってるかわからん。もうすっかり忘れてしまった)。ガイドによると、そこは第二の政府所在地だったのだそう。ま、何があるってわけでもないんだけど。
見学後、Eagles Nestに移動する前にランチ。Dokumentation Centerすぐ近くにあるレストラン(Berggasthof Obersalzverg)へ。レストランは1件しかない。ガイドによると、Eagles Nestのレストランよりもこっちの方が、サービスも早いし、そこそこ美味しくていいのだそう。
Berggasthof Obersalzvergでシュニッツェルを食べた。
食事のあと、Eagles Nestへ移動するため専用バスに乗り換える。そのため、またHappy Groupは、帽子を振りサインを出しているグンターの元にみんなで集まって、バス停に移動した。
かなり狭く急な山道をバスで上る。ヘアピンカーブもしょっちゅう。こんなとこよく運転できるね、というようなところで、ちょっとでも踏み外したら転落まちがいなし、みたいな道。
バスを降りたら、帽子を振りかざし「Happy Group!」と声をあげているグンターを取り囲んで、みんなで暗くジメっとしたトンネルを進んでいく。
標高がかなり高く、しかも天気も悪かったのですごく寒い。
私は薄手の長袖のTシャツにアウトドアジャケット(ソフトシェル)を着ていたけど、それでも寒かったので念のため持っていたインナーダウンジャケットを中に着込んだ。トンネルの先にはエレベーターがあり、その金ピカのエレベーターで124m登って、ヒトラーの別荘Kehlsteinhaus、通称「Eagles Nest」へ。
そこは山頂で絶景のはずだけれども、ガスで真っ白で、全く何も見えなかった。
でも、そのうち少しガスが切れて湖が遠くに見えたり、山肌も見えたり。
景色見てるだけでも楽しかったけど、やっとここで日本語ガイドが出てきて、山荘の中に入りましょうというので入った。最初にエバ・ブラウン(ヒトラーの愛人)の部屋を見た。特に何があるわけでもない。「あ〜、こんな人だったんだなー」と何かを偲ばせるようなものはなかった。
そしてそこから続くカンファレンスルーム(今は食堂風?)へ。カンファレンスルームには、ムッソリーニがヒトラーに贈ったという暖炉が。日本語の説明はたったそれだけ。(えーっ!)
また外にでて少し景色とかみながらうろうろ。やはりEagles Nestといえばこの光景でしょう。霞んでてあんまり見えないけど。
Happy Groupの待ち合わせ時間になったので、またまた金ピカエレベーターで下山。ちなみにこの金ピカエレベーターはヒトラーの当時からのオリジナル。何も変わっていないとのこと。そして、エレベーター内は撮影禁止。なぜだ…。
しかし寒い。
専用バスにのってさきほどのDokumentation Centerのバス停まで戻って、それからツアーバスに乗り換えて、ミュンヘンへの帰路について。途中ではもちろん、キムゼイレイク組もピックアップしていった。
真夏でもこれだけ涼しく、そしてかなり険しい山岳地帯にあることもあって、Eagles Nestのツアーは4月から10月中旬までしかやっていない。そしてミュンヘンから出発するGraylineのツアーは月曜日と金曜日しかやっていない。なので、多少天気は悪かったものの、大雨で中止とかにならなくてよかった。雰囲気だけは十分に感じられたし。
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