YOSHIKI/佳樹

熱狂的なファンではないのだけど、中学生の頃からYOSHIKIやXが好きだ。好きというか、なぜか気になる存在というか。

X以前にもロックにクラシックをモチーフとして取り込んでいるバンドとかはあったんだろうけど、根底にクラシックがあるというところがすごい不思議だった。ビジュアルやルックス、楽器を破壊するステージ上の行為から、反社会的なイメージを持つ人も多かったと思うけど、どっちかというと、旋律の繊細さや美しさの方が私は印象として強く持っている。ドラムを叩いている時の激しさと、ピアノを奏でている時の静粛さが両立しているというのが驚きというか。加えて、私はああいう女性的な線の細い感じの顔立ちが好みということもあり、筋肉質でありながら妖艶な感じというのも、惹かれる要因の1つかも。

まぁ、かといって、四六時中、彼らに取り憑かれるほどのファンでもなければ、音楽に陶酔しきってしまうタイプでもないので、ワイドショーとかニュース記事に出ていれば気にはとめるし、たまたまCDが目につけば買うこともあるけど、あまり色んなことは知らない。

そうしたところ、たまたまYOSHIKIに関する本が出るという記事を見つけたので、ブックマーク的にamazonで予約を入れておいた。予約したのも忘れていたけど、本が届いたので読んでみた。本を読むのが恐ろしく遅く、また読みかけの本を何日も何週間も放置することもある私にしては自己記録じゃないかと思うスピードで。2日で487ページ。

幼少期〜学生時代の、YOSHIKIを形成してきた事柄に触れられているのも興味深かったけど、Xとして成功するまでのエピソード、HIDEの死のインパクト、X解散や再生の背景や葛藤、X以外の活動や環境の変化などなど、1人の人間が経験する量として半端ない、こんなにも多くのことを許容できちゃうのか!と、驚愕するばかりだった。

音楽プロデューサーとしてだけでなく、事業家としての顔も見られて、その超人的な努力とか嗅覚とか、決断力、ネットワーク力、推進力、専門家を凌ぐほどの知識などなど、ほんとに脱帽する。もちろん環境に恵まれているところは大きいと思うけど、それすらも才能なんだと思わせる。

読者を引き込み、カリスマ的に見せるために脚色がされて、バイアスもかかっているんでしょう。YOSHIKIやXに興味がない人が読めば、胡散臭いという意見もあるだろうし、本人がすごいんじゃなくて、お母さんがすごいんじゃね?とか思う人も多いと思うけど、まぁ、それでも私はすごいと思う。

私の分類(謎)では、中田英寿とYOSHIKIは似ていて、most precious, valuable and  irreplaceableなJapaneseの1人だなぁ、と思う。

Share

Leave a Reply

CAPTCHA