IA視点のWebプロジェクト

長谷川さんがWeb担当者Forumで連載しているコラム「IA視点のWebプロジェクト」の第2回記事が公開されました。

『プロジェクトリーダーに求められるIA視点–プロジェクトアーキテクトという役割』

以前、私は他社でWebディレクターをしていました(某自動車メーカーとその子会社ですが)。さまざまな経緯があり、私はなぜか、その某メーカーの部長(兼 子会社社長)の特命係みたいなことになっていて、Webに限らず色んな不定形案件が降ってくることが多い状況に置かれていました。

アウトプットとしてWebだったり、アプリだったり、ムービーだったり、海外での施設だったり、クルマがガンダムになるためのシナリオ(謎)であったり、さまざまではあるものの、少なからずそのプロセスのどこかでは、サイト構造、画面イメージ、利用フロー、といったものが出てくることから、その部長が言っていることを、それ以外の人とイメージとして共有できる「何か」を書ける人として、使われていたんだろうなと思います。(優れた能力があるわけでもない私が重宝されていた別の理由としては、出世なんかと無縁の小娘であったがゆえ、彼に対して、物怖じせずに反対意見を言えた、ということがあります・・多分。)

ただ、そうしたあまりに不定形な案件では、そもそも、画面や利用フローに落とす前段階での検討事項が多く、それはシステム要件といったWebに関わるようなものだけでなく、日本と海外現地法人の間でのプロジェクト予算の按分のための根回しであったり、ユーザーやコンテキストを考えると絶対にいらないコンテンツだけど、会計上の問題を避けるため+政治的な制約のためにどうしても利用せざるを得ない、というようなことであったり、すでに存在しているサービスとの整合の問題であったり、複雑怪奇な与件がたくさんあるわけです。

もちろん、私1人で解決できる話でもないので、社内外と調整しながら課題を洗い出しつつ、プロジェクトの方向性の落としどころをつけて行くのですが、当時、私自身は「自分は多分Webディレクター」みたいな意識だったこともあり、「Webの検討なんて到底まだまだ先の、この段階のこの話って、Webディレクターの範囲なのか?」と思っていたのです。

Webっぽい仕事の場合でも、例えば同じ会社が持っている複数サイト間の関係性みたいなものの検討(今思えば、Enterprise IA的なもの)の場合、組織構造に絡む話も多いので、UIやら実装方法やら以前の話が多く、小娘が考える「Webディレクター」の範囲を圧倒的に超えていたわけです。

仕事をやりたくないというわけではなくて、「企画といえば企画だし、設計といえば設計だけど、んー、Web?」という感じで、ただ腑に落ちない。最終的なアウトプットがWebって言ったって、検討事項はWeb以外の絡みのことが多いじゃん!みたいな。

そんな中で私なりになんとなく「情報アーキテクチャ」というのがキーワードとして上がってきていて、その時は、サイト構造、せいぜいEIAという観点でのキーワードだった気がするけど、なんとなく、不定形プロジェクトを推進するためのロールとしてIAっていうのが重要なんじゃないかとぼんやり浮かんできた。そして、タイミングよく長谷川さんの講演とか聞いて、超ビビっときて、すごく腑に落ちたわけです。(で、紆余曲折を経て、いま私はコンセントにいるわけです。)

そもそも、私がその手の話で悩んでいたのは2002年〜2006年ぐらいの話で、その頃にはとっくのとんまに日本でもIAのことは取り上げられ、実践されていたはずなので、私が勉強不足で気づくのが遅かったってだけですが。

ま、とにかく、そのすーっと腑に落ちた内容が、今回のコラムに凝縮されている気がします。プロジェクトとIA(情報アーキテクチャという考え方自体でもあり、IAという役割でもあり)の関係がとても分かりやすく整理されているので。

変な人と思われるかもしれないですが、私はこのコラムが読めて超嬉しい!

って、コラム紹介するには長過ぎるエントリーだな・・。

ぜひぜひこのコラム読んでみてくださーい。

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One Comment

  1. 主婦の掟 より:

    […] の身なりで外出したい、という上記のようなことを含むモチベーションが働いているけど、働き先としてコンセントを選んでいるというところには、もちろん、ちゃんとした理由がある。 […]

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